編著: | 伊藤達雄(東京女子医科大学教授) |
---|---|
判型: | B5判 |
頁数: | 202頁 |
装丁: | 口絵カラー |
発行日: | 2003年05月15日 |
ISBN: | 4-7849-6130-5 |
版数: | 第2版 |
付録: | - |
臨床の現場で要求される知識を身に付けるための、ケース・スタディ問題集です。
エキスパートにふさわしい症例を、主治医として誌上体験できます。
症例の経過を追いつつ、設問に答えながら診断・治療を進め、具体的な知識をマスターする構成になっています。
整形外科専門医・認定医試験に対応できるよう、脊椎疾患18症例を選びぬきました。
S実力アップを目指す研修医、若手医師に、専門医が診断・治療・手術のコツを伝授。また各領域の最新知識の学習に最適。
診療科: | 整形外科 | 整形外科 |
---|
シリーズ: | 整形外科専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ シリーズ |
---|
CASE 1 頸椎椎間板ヘルニアによる脊髄神経根症
CASE 2 変性頸部脊柱管狭窄症によるC6脊髄症および右C6神経根症
CASE 3 頸椎後縦靱帯骨化症(頸椎OPLL)
CASE 4 第5頸椎interlockingを伴う頸髄損傷
CASE 5 関節リウマチによる環椎前方亜脱臼(軽度脊髄障害を伴う)
CASE 6 os odontoideum
CASE 7 頸椎部破壊性脊椎関節症による脊髄症
CASE 8 頸椎部硬膜内髄外腫瘍(schwannoma)
CASE 9 胸椎化膿性脊椎炎
CASE 10 胸椎結核性脊椎炎
CASE 11 胸椎靱帯骨化(後縦靱帯・黄色靱帯)による胸髄症
CASE 12 第3腰椎骨巨細胞腫
CASE 13 甲状腺乳頭腺癌の脊椎転移
CASE 14 骨粗鬆症
CASE 15 胸腰椎部移行部骨折
CASE 16 特発性側彎症
CASE 17 腰椎椎間板ヘルニア
CASE 18 腰椎椎間板ヘルニアを合併した脊柱管狭窄症(合併狭窄症)
最近の有訴者率(厚生労働省統計)のトップ3は、腰痛、肩こり、手足の関節痛であり、いずれも整形外科医が扱う運動器疾患です。整形外科学会の会員数は2万1,000名を越え、また専門医も1万4,393名の多きに達し、専門医試験に挑戦する若い研修医も毎年約500?600名となっております。筆記ならびに面接試験からなる専門医試験の様式もほぼ定まってきています。しかし、専門医を目指し日々の診療のうちに研修・研究に励んでいる若い整形外科医の全員が必ずしも良い指導環境にあり、かつ十分な症例に恵まれているわけではありません。
専門医試験においては一般に外傷の症例呈示が多くなる傾向にあり、変性・炎症・腫瘍などの疾患に対する経験が不足しがちとなっております。そこで紙上ではありますが、読者自身が主治医になり、具体的な設問に答えつつ自己研修ができる企画として、CASE METHOD APPROACHを作成しました。日常の診療形態、すなわち問診、理学的診察、各種検査を経て、確定診断、そして治療へ至る道すじを設け、各項目毎にQ and Aの形態をとりました。これに答え、解説を読むことにより、類似した症例を経験し、専門医に相談したように学習でき、正しい思考過程が得られるように企てました。
本書にあらわした脊椎領域は、上記のごとく患者として遭遇することも、また疾患として取り上げられることが多い部門であります。今回の第2版には初版の典型的な変性・外傷・腫瘍・化膿性疾患などの16症例に、胸椎の黄色靱帯骨化症と原発性脊椎腫瘍を加え18症例といたしました。初版の16症例も最新の情報を加え、設問・解説の見直しをはじめ、新たな症例を呈示したものもあります。いずれも各方面のエキスパートが執筆しております。
専門医を目指す若い研修医はもとより、すでに専門の道を歩んでおられ、脊椎から少し離れている方にも、最近の脊椎疾患の知識を得るのに有用となる書物に仕立てたつもりであります。
お忙しい中、症例呈示および執筆にご協力いただいた執筆者の方々に深謝いたします。
2003年4月
編者 伊藤達雄