編著: | 堀内行雄(川崎市立川崎病院副院長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 264頁 |
装丁: | 口絵カラー |
発行日: | 2004年04月01日 |
ISBN: | 4-7849-6116-X |
版数: | 第2版 |
付録: | - |
臨床の現場で要求される知識を身に付けるための、ケース・スタディ問題集です。
エキスパートにふさわしい骨・関節症例30例を、主治医として誌上体験できます。
症例の経過を追いつつ、設問に答えながら診断・治療を進め、具体的な知識をマスターする構成になっています。
実力アップを目指す研修医、若手医師に、専門医が診断・治療・手術のコツを伝授します。また各領域の最新知識の学習に最適です。
診療科: | 整形外科 | 整形外科 |
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シリーズ: | 整形外科専門医を目指すケース・メソッド・アプローチ シリーズ |
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CASE 1 右大腿骨変形治癒
CASE 2 上腕骨外顆骨折
CASE 3 橈骨若木骨折に伴う尺骨急性塑性変形(acute plastic bowing)
CASE 4 先天性股関節脱臼
CASE 5 乳児急性化膿性股関節炎
CASE 6 ペルテス病(Perthes病,Legg-Calv-Perthes病)
CASE 7 O脚(生理的内反膝)
CASE 8 先天性内反足
CASE 9 クル病(低リン血症性ビタミンD抵抗性クル病)
CASE 10 骨形成不全症
CASE 11 三角筋拘縮症
CASE 12 左肩関節周囲炎(いわゆる五十肩,腱板変性断裂を伴う)
CASE 13 反復性肩関節前方脱臼
CASE 14 ガングリオンによる肩甲上神経損傷,および棘下筋麻痺による腱板機能不全
CASE 15 上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎,変形性肘関節症,尺骨神経麻痺,尺側側副靱帯 損傷
CASE 16 左肘関節後外側回旋不安定症(posterolateral rotatory instability, PLRI)
CASE 17 陳旧性ガレアッチ骨折
CASE 18 大腿骨頭すべり症
CASE 19 特発性大腿骨頭壊死症(idiopathic osteonecrosis of the femoral head, IONF)
CASE 20 ACL+PCL+LCLおよび大腿脛骨関節面軟骨損傷
CASE 21 外傷歴のない半月板損傷
CASE 22 急性膝蓋骨脱臼に伴う膝蓋骨骨軟骨骨折
CASE 23 足関節外側靱帯(前距腓靱帯)損傷
CASE 24 (両)外反母趾,(右)症候性外反扁平足
CASE 25 先天性の尺骨低形成によると思われる前腕内反
CASE 26 上腕骨偽関節,橈骨神経麻痺
CASE 27 下腿開放性骨折
CASE 28 関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis, RA)
CASE 29 高代謝回転型骨粗鬆症
CASE 30 骨髄炎
整形外科は運動器全般の診療を扱うのでその領域はきわめて広く、さらにその各々に奥深い知識を要求されることは、整形外科学を学びさらに実践していこうとする誰もが経験することです。教科書の知識を元に日夜、多くの患者に接し、経験を積んで良医への道を目指しても、教科書で学ぶことにはおのずと限界があり、疾患の表現形は患者により必ずしも同一ではないことに気づきます。臨床医学は経験がかなり重要で、医師自身がさまざまな疾患の患者に接することにより、その診療経過などからより多くのことを学び取っていくことが基本になります。真摯に患者を診療することからその疾患の知識が自然に身につき、また新しい診断法や治療法も生まれてくるといっても過言ではありません。
整形外科の指導医の数も増えたので、若い医師が実際に患者を前にして何に注目しどんな検査をすればよいか、問題点は何でそれをどのようにして解決していくのかなど、行き詰まった時に指導してもらえる機会が増えてきたことは喜ばしいことです。しかし、勤務先の病院によって疾患に偏りがあるのは当然です。さらに、なんでも相談できる指導者がいつも臨床の現場につきっきりで指導してくれるわけでもありません。
本書の第1版が出版され早くも6年以上が過ぎ、また少し違った角度から疾患を選び、執筆者も臨床や研究に多忙な先生方にお願いして第2版を出版させていただくことになりました。前述の必要性に少しでも答えられるようにと考えて、第1版同様、Q&A形式で理解しやすいように執筆していただきました。また比較的よく遭遇する骨・関節疾患を選定しなおし、合計30症例を提示しました。本書のケーススタディをすることで、疾患に対する考え方を学び、疾患の知識を整理することができ、実際に経験するのと同じように患者の受け持ち医としての体験ができればと考えました。
執筆者には、次の4つのことをお願いしました。それは、(1)読者が実際に患者さんを診察し、自問自答しながら症例を扱っていく形式をとる、(2)診断と治療のポイントや最新の情報を随所に盛り込んでいただき、読んでいくうちにさらに興味がもて、知識が十分に深まるように工夫する、(3)手術のコツや留意点も強調する、(4)本書の内容が整形外科専門医試験にも十分に参考になること、とかなり欲張ったお願いでした。読んでいただければわかるように、その目的通りの本になったことを大変嬉しく思っています。多くの読者が本書のよさを理解し、上手に活用され知識を深められることを祈ります。
最後に本書の出版にあたり、執筆を担当してくださった先生方に深謝いたします。
2004年2月
編者 堀内行雄