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外国人頼みの人手確保策に「日本の都合で来てくれると思うのは間違い」 厚生労働省部会で社会保障の将来見通し議論

No.4912 (2018年06月16日発行) P.20

登録日: 2018-06-07

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社会保障審議会医療部会(永井良三部会長)は6日、先月の経済財政諮問会議で政府が示した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」について議論した。島崎謙治委員(政策研究大学院大)は、政府が掲げる人手確保策に対し、「日本の都合に合わせて外国人が来てくれると思うのは間違い」と指摘した。

将来見通しでは、生産年齢人口が減少する中、医療福祉分野の就業者数を18年度の823万人から40年度に1065万人まで増やす必要があると試算しており、マンパワーの確保が課題となっている。(詳しくはhttps://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9958)

こうした中、政府が5日に公表した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太方針)の原案では、課題解決に向け、外国人材受け入れを拡大する方向性を盛り込んだ。

同部会で島崎氏は「東南アジア諸国の合計特殊出生率が急激に減少しており、若年労働力も不足気味になる」と指摘。外国人頼みの人手確保策に危機感を示した。その上でICTやチーム医療を活用し、生産性を高める必要性を訴えた。

■社会保障、産業としての拡大を提案

井上隆委員(日本経済団体連合会)は「(社会保障)負担の増加という見方もあるが、ニーズがあり、成長可能性を持っている分野」と指摘。「日本経済の大きな産業の1つという視点から社会保障に光を当てて、生産性の向上などを含め前向きな議論をすべき」と提案した。

これについて、永井氏も賛同。「削減ばかりでは地方が疲弊する」と懸念を示した。

2040年の社会保障を巡り議論した医療部会

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