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【他科への手紙】循環器内科→血液透析担当の先生

No.4915 (2018年07月07日発行) P.51

山崎直仁 (高知大学医学部老年病・循環器内科学准教授)

登録日: 2018-07-04

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  • 循環器内科で診ている患者さんには、維持透析をされている方も多く、いつもお世話になっています。日頃、透析患者さんのドライウェイト(DW)設定について相談を受けることが多く、循環器内科医がどのようにしてDWが適切か否か判断しているかを知ってもらいたく、お手紙を書かせて頂きました。

    従来、心臓のvolume状態を評価するのに心胸郭比(Cardiothoracic Ratio:CTR)が用いられてきましたが、CTRと左室径との相関関係は乏しく、CTRのみを基準にDWを決定するのは無理があると思われます。ただし、同一患者さんで、同じ条件で撮影された写真であれば、以前のものとのCTR比較はvolume評価に有用です。

    循環器内科は心不全患者さんに接することが多く、日常的に体液量を評価する必要に迫られています。血管内volumeを評価するのには、エコーが役立ちます。エコーでは下大静脈(IVC)のサイズと、呼吸に伴うIVC径の変化を観察します。透析終了直後にもかかわらず、エコーでIVCが拡大しており、呼吸性変動が減弱しているときは、右房圧が高く十分な除水ができていないと判断します。またエコーを用いて、僧帽弁の流入波形や三尖弁逆流速度を計測することにより左房圧が推定できます。左房圧が高くなると肺うっ血を生じるため、この評価は重要です。

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