編: | 佐藤宏行(東北大学病院循環器内科) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 192頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2024年08月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-6693-6 |
付録: | 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
◆ 本書は、プライマリ・ケア医の先生方が不整脈患者を専門医へ紹介するまでに何ができるか,一歩ステップアップすることを目的としています。
◆ 「AFLに出会ったらどのように対応する?」「有症候性の徐脈発作の初期対応は?」といった,ジェネラリストの先生方にわかっていただきたいピンポイントのトピックを23項目に絞って構成。“外来で困ったときに”をイメージして,紹介までの診療だけでなく,“紹介後に戻ってきてから”の治療についてもアドバンスで解説。不整脈診療の全体像がつかめます。
◆ 各項目は,症例の提示から始め,間違えやすい心電図,見落とせない病歴,実は疑うべき鑑別疾患,専門医へ紹介する際の注意などを盛り込んでいます。卒後10~15年の専門医が非不整脈医からされる質問を取り上げ,実臨床に活かせる構成としました。
◆ 研修医や若手医師,循環器内科や不整脈診療に関わる医療従事者に,おすすめの1冊!
本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます
第1章 症候
1 動悸を訴える患者にどのように対応する?
2 失神を訴える患者にどのように対応する?
第2章 心房細動
1 AFの頻脈発作への初期対応は?
2 AFにおける抗凝固療法の適応,使いわけ,コツは?
3 AFレートコントロールの適応,使いわけ,コツは?
4 AFの抗不整脈薬の適応,使いわけ,コツは?
5 AFの患者への生活指導や基礎疾患管理のコツは?
6 AFアブレーションの適応判断は?
7 AFアブレーション後の注意点・合併症は?
8 AFアブレーション後の薬剤調整のコツは?
9 経カテーテル的左心耳閉鎖術の適応判断は?
第3章 上室不整脈
1 心房期外収縮の頻発や連発に出会ったらどのように対応する?
2 Δ波に出会ったらどのように対応する?
3 narrow QRS tachycardiaへの初期対応は?
4 AFLに出会ったらどのように対応する?
第4章 徐脈性不整脈
1 有症候性の徐脈発作への初期対応は?
2 AF停止後の心停止 徐脈頻脈症候群はどのように対応する?
3 ペースメーカの適応判断は? 植込み後の注意点は?
第5章 心室不整脈・突然死
1 心室期外収縮,非持続性心室頻拍に出会ったらどうする?
2 wide QRS tachycardiaへの初期対応は?
3 ブルガダ症候群に出会ったらどのように対応する?
4 QT延長に出会ったらどのように対応する?
5 ICDの適応判断は? 植込み後の注意点は?
“不整脈って循環器の中でも結構専門性が高いよね”
“アブレーションとかデバイスのことは「電気屋さん」に任せておけばいい”
といった声を時折耳にしますが,この本を手に取って下さる皆さんは,心の奥できっとこう思っているのではないでしょうか。
“失神した患者が受診した際,かかりつけ外来で実践できるtipsを知りたい”
“毎日外来で診る心房細動の最新のマネジメントができるようになりたい!”
“ホルター心電図をオーダーしても,結果解釈や説明が適切にできているか心配だ……”
“アブレーション後にかかりつけ医が注意すべきポイントは? 薬はどうすればいいの?”
“ペースメーカの手術を受けた後の注意点で,かかりつけ医も理解しておくべきことは?”
“健診でBrugada型やΔ波が指摘されたら,全例紹介しないといけないの?”
外来現場で日々出くわす,これらの不整脈診療の疑問に丁寧に答えるジェネラリストのための“1冊” を,今回上梓することができました。全国各地にて臨床最前線で活躍する,プライマリ・ケアや一般外来診療にも精通した6人のaround 40世代の不整脈医がお届けいたします。医師のみならず,不整脈診療に関わるすべてのメディカルスタッフ,関連企業の皆様にも必ず一助となるはずです。普段“カテを握っている” ことが多い医師が,“どのようなプロセスでこの患者さんをカテ台に上げて治療するに至ったのか”を追想できると確信しています。
私たちの想いは1つです。
“不整脈で困るすべての患者さんが,かかりつけ医から専門医まで,最適かつシームレスな不整脈診療を受けられますように”
当然,不整脈専門医だけでこの理想を実現することはできません。今回この本を手に取って下さった皆様と“共通言語” を増やすことで,“ワンチーム” でより良い不整脈診療を,より多くの患者さんに届けることができたら嬉しく思います。
最後に,このプロジェクトをサポートして下さった日本医事新報社の木村様,谷口様に,この場をお借りして感謝申し上げます。
2024 年7 月
東北大学病院循環器内科
佐藤宏行