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■NEWS 過去最大31.9兆円、重点に「働き方改革」―2019年度厚労省概算要求

No.4924 (2018年09月08日発行) P.20

登録日: 2018-08-30

最終更新日: 2018-08-30

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厚生労働省は29日、2019年度予算の概算要求を自民党厚労部会に提示した。一般会計の要求総額は31兆8956億円(今年度当初予算比2.5%増)で、過去最大となった。年金・医療等の経費は29兆8241億円(同2.1%増)。高齢化等に伴う社会保障費の「自然増」は、政府全体では6000億円を見込み、7月に閣議了解された方針に沿った形となったが、年末にかけての予算編成過程でさらなる圧縮が焦点になるとみられる。

厚労省は概算要求の重点の1つに働き方改革を据え、計3800億円を配分した。医療従事者の働き方改革の推進には21億円を計上。タスク・シフティング等による医師の勤務環境改善に向けては、先進的取り組みを実施する医療機関へ補助を行う。また、病院長向けの研修を開催し、意識改革や労務管理能力の向上を図る。患者に適正受診を啓発する予算も盛り込んだ。

医療分野の生産性向上のための新規施策では、複数のICUの患者を遠隔モニタリングし、若手医師等に助言する「Tele-ICU」の整備に5.5億円を計上している。

■自治体に外国人医療の相談窓口

急増が予想される訪日外国人患者の受入体制の整備に向けては、今年度当初予算比13.6倍の19億円を要求。医療機関からの相談にワンストップで対応する窓口を地方自治体に設置するほか、医療通訳の配置や多言語対応システムの導入などを支援する。

このほか、大規模自然災害の発生に備え、災害拠点病院の耐震化や災害派遣医療チーム(DMAT)の体制強化で、今年度当初予算比13.1倍の55億円を求める。

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