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遠隔ICUは医療をどう変えるのか(中西智之 T-ICU代表取締役社長)【この人に聞きたい】

No.4932 (2018年11月03日発行) P.8

中西智之 (T-ICU代表取締役社長)

登録日: 2018-11-01

最終更新日: 2018-10-31

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なかにし ともゆき:2001年京都府立医大卒。熊本赤十字病院心臓血管外科、横浜市大麻酔科学教室、武蔵野赤十字病院救急救命センター、守口生野記念病院救急科部長などを経て、2016年に起業し現職

遠隔モニタリングを通じて専門医が治療方針を助言する「遠隔ICU」(図)という取り組みが、国内で始まりつつある。遠隔ICUを事業として展開する中西智之医師(T-ICU代表取締役)に、その有用性や普及への課題を聞いた。

ICUに専門医がいない病院

─遠隔ICUに着目し、会社まで設立したきっかけは。

遠隔ICU自体は米国で20年ほど前に始まった取り組みですが、私がその存在を知ったのは今から3年前でした。

私は麻酔科専門医ですが、救急と集中治療をするようになってそれぞれの専門医も持っています。麻酔科医として200~300床の急性期病院へ手伝いに行った時、ICUやHCUがあるのに専門医はいない現場がいくつかありました。そこでの治療を見ていると、最新知識のアップデートが追いついていないと感じられ、何とか専門医が関わる形を作れないかと、仲間の医師と話すうちに1人が米国の遠隔ICUのことを紹介してくれました。

米国の遠隔ICUは、専門医と専門の看護師が集まる「コントロールセンター」から、病院の現場の心電図や電子カルテをモニターし、現場に治療方針を伝えるというものです。私も同級生や先輩から電話で受け持ち患者の集中治療に関する対応について相談を受けた経験があったので、日本でもできるのでは、と感じました。

最初は医療法人の設立を考えたのですが、遠隔ICUは対面診療をするわけではないので、ひとまず株式会社の形を選びました。

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