株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

血液培養によるGPC clusterで黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌をグラム染色で見分ける方法は?

No.4937 (2018年12月08日発行) P.59

佐田竜一 (天理よろづ相談所病院総合診療教育部)

羽田野義郎 (東京医科歯科大学医学部附属病院感染制御部)

登録日: 2018-12-09

最終更新日: 2018-12-04

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 血液培養からブドウ球菌が生えた際,黄色ブドウ球菌なのか表皮ブドウ球菌なのかは臨床的に大きな違いを生み出します。この2つを見分けるためにグラム染色によって得られる情報から分類することは可能でしょうか?東京医科歯科大学・羽田野義郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    佐田竜一 天理よろづ相談所病院総合診療教育部


    【回答】

    【菌体の形態学的な違いと菌体周囲の“にじみ”に注目する】

    黄色ブドウ球菌(MSSA,MRSA)菌血症の30日死亡率はおおむね20~30%であり1),頻度も高く臨床的に重要な微生物の1つです。昨今では質量分析など早期の診断が可能になる検査装置が設置される病院も増えてきましたが,一部の病院に限られているのが現状です。血液培養陽性後,血液のグラム染色でブドウ球菌を疑うグラム陽性球菌(GPC in cluster)が検出された場合,黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌は治療方針が大きく異なるため,その判断は重要となります。見分け方として用いる所見は大きく2つあり,①菌体の形態学的な違い,②菌体周囲の“にじみ”の2つに筆者は注目しています。

    残り1,187文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top