政府は21日、2019年度一般会計予算案と18年度第2次補正予算案を閣議決定した。19年度予算案のうち、社会保障関係費は34兆587億円で、前年度当初予算に比べ1兆25億円(3.0%)増加。社会保障関係費のうち、医療給付費は11兆9974億円(前年度比1.6%増)、介護給付費は3兆2301億円(同3.7%増)となっている。
高齢化等に伴う自然増は6000億円となったが、実質的な伸びは4768億円に抑制された。これは、19年10月の消費税率引上げに伴い実施される薬価改定などによる減少分があるため。自然増のほかに、消費増税に伴う社会保障の充実分として4808億円を認めた。
厚生労働省が所管する医療分野の予算では、300億円規模の「医療ICT化促進基金(仮称)」を創設。医療保険のオンライン資格確認のシステム整備や電子カルテ規格の標準化に向け、医療機関の初期導入経費を補助する。厚労省は19年の通常国会に関連法案を提出する方針。
18年中に相次いで発生した自然災害を踏まえ、災害医療体制の充実に前年度比22倍増の94億円を計上。災害拠点病院等については18年度第2次補正予算案で、非常用自家発電機や給水設備の整備に必要な経費を補助する。
風疹の蔓延防止に向けては18年度第2次補正予算案に17億円を積み、自治体による抗体検査の対象を抗体保有率の低い39~56歳(18年度時点)の男性にも拡大。19年度予算案でも抗体検査の補助(12億円)を継続する。
このほか、外国人患者の受け入れ体制の整備には前年度比12倍増の17億円を計上し、医療機関による多言語遠隔通訳システムなどの整備を支援する。
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