【ステロイド・活性型ビタミンD3配合薬や新形態の外用薬の登場】
近年,乾癬の治療として生物学的製剤やアプレミラストなどの新たな全身治療が続々と確立され,高い治療効果が報告されている。しかし,乾癬の治療の原則は外用治療であり,外用治療のみで寛解する患者も多くみられる。また,全身治療導入後も外用治療を併用することにより,全身治療の強度を上げずに治療を継続することが可能な場合もある。
これまで,乾癬に対しての外用治療は,一般的にステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬の2種類併用による治療が行われてきたが,近年この2剤の配合薬が発売された(ドボベットⓇ軟膏,マーデュオックスⓇ軟膏)。1日1回1剤の外用で治療を行うことができるため,塗布回数や塗布時間の減少につながり,塗布時のストレス軽減やアドヒアランスの向上が期待される。今福らによると,配合薬により速やかな症状改善効果がみられ,さらにその治療効果は長期維持することが可能であり,患者QOLを向上させ,忍容性も良好であると報告されている1)。
さらに最近では配合薬のゲル製剤(ドボベットⓇゲル)や,ステロイド外用薬のシャンプー製剤(コムクロⓇシャンプー)も発売されており,外用が困難であった頭部に対しての外用治療の選択肢も広がってきている。
外用治療から生物学的製剤まで,幅広い選択肢の中で,患者に適した治療を行っていくことが重要である。
【文献】
1) 今福信一, 他:日皮会誌. 2018;128(4):589-600.
【解説】
井上紗惠 筑波大学皮膚科