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■NEWS 合格後に寄付金支払い、「暗黙の了解が存在していた可能性」―東京医大不正入試問題で第三者委

No.4951 (2019年03月16日発行) P.19

登録日: 2019-03-05

最終更新日: 2019-03-05

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不正入試問題で東京医大は4日、第三者委員会の追加調査報告書を公表した。入試の配慮を依頼し、合格後に寄付金を支払うことが「暗黙の了解」となっていた可能性があるとの見解を示した。

第三者委員会が昨年末にまとめた最終報告書では、特定の受験生への有利な取扱いと同大への寄付金の関連性について疑惑を指摘。文部科学省は入学に関する寄付金の収受や募集、約束を禁止していることから、追加調査を求めていた。

第三者委員会では、11名の受験生氏名・受験番号が列記された臼井正彦前理事長のメモについて調査。メモには、正規で同大に合格した1名を除き、受験生氏名の隣に手書きで「1000」「2000」などと記載していた。実際の寄付金額は3002000万円で、メモ記載の数字と寄付金額が一致している者は5名に上ったという。なお、10名は2次試験の合格発表で補欠となった後、繰上合格を経て東京医大に入学。有利な取扱いが疑われるのはそのうち7名だとした。

第三者委員会は、臼井氏に宛てて寄付金の支払いを申し出る手紙を複数発見。「もし入学が許されましたら育てて頂く大学のためには寄付は3千万は用意するつもりでおります」などと書かれていたという。報告書では、東京医大の同窓生・関係者の中には、学長らに入試に関する配慮を依頼しその見返りとして大学への多額の寄付を行うものだと考えていた者が少なからず存在し、臼井氏も同様の考え方だったと指摘。特定の受験生に問題行為がなされた背景の1つとして、「このような暗黙の了解が存在していた可能性が否定できない」とした。

その上で、「臼井氏と特定の受験生側との間で、入試の合格発表前に寄付金に関する何らかのやり取りがあったことを強く疑わせる事案が存在することを確認した」と明記。ただし、文科省が禁止している寄付金の収受や募集、約束に該当する具体的な行為までは認定しないとした。

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