【質問者】
大塚隆生 九州大学大学院臨床・腫瘍外科准教授
【悪性予測因子を複合的に評価して治療方針を最終決定する必要がある】
膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)の診療において分枝型(branch duct:BD)-IPMNの治療方針の選択が問題となってきました。今回はBD-IPMNの手術適応についてガイドラインの変遷と併せてお答えします。
2012年に発刊された「IPMN国際診療ガイドライン」1)では,BD-IPMNの診療方針選択のアルゴリズムが提唱され,悪性の診断で手術すべきhigh-risk stigmata(HS)と,悪性の疑いを示すworrisome features(WF)が定義されました。WFでは超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography:EUS)が推奨され,結節の存在や主膵管進展が手術適応とされました。
2016年までにHSとWFの診断能を詳細に言及した論文は9編あり,悪性例診断の陰性的中率(negative predictive value:NPV)は82〜100%と高率でしたが,陽性的中率(positive predictive value:PPV)は29〜52%と低率でした。
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