私の現在の主な職務はCT、MRI、核医学の診断結果報告書の作成です。現在、整形外科からの診断依頼はCTの約7%、MRIの約17%を占めます。
7年半前に現病院に転任しましたが、当時は放射線診断医が不足しており、整形外科領域のCT、MRIのどの程度を当科で担当するか調整しました。整形外科部長と話したところ、「骨折のCTはまったくみてもらわなくてもよい、MRIはできれば全例、特に腫瘍系はぜひみてほしい」と言われました。骨折に関してはAO分類などもあることからCTの所見を文章化する必要もない、というのが昔からの共通認識ということなのでしょう。
かなり以前のことになりますが、MRIが普及してから整形外科領域に参入した(しかたなく始めた?)放射線科医が多かったように思います。脊椎のMRIは当初から行われていましたが、関節や腫瘍への適応はその後、徐々にであったと記憶しています。
現在でも整形外科領域に積極的でない放射線科医が多いと感じます。広範囲にわたって骨、関節、靱帯、筋、血管などの解剖の知識が必要である点や機能診断の難解さ、疾患の数の多さ、各理学所見あるいは画像所見とそれらの優先順位を体感的に理解できていない、などが理由として考えられます。
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