日本専門医機構は24日、2020年度専攻医募集のシーリングを決定した。寺本民生理事長が27日の定例会見で報告した。9月中旬~下旬にも専攻医登録を始めたい考え。
シーリングは、14日の医道審議会医師分科会医師専門研修部会で了承されていたもの(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12343)。
寺本氏は会見で、「一番はっきりしていることは診療科偏在がかなりあることだ」と指摘。「入口の段階で(機構として)貢献すべき」との考えを示した。
しかし2020年度のシーリング数は、離島を持つ地域や精神科の措置入院に関する業務などについて、まだ考慮が不十分であるとの認識も示し、「機構が主体となって、問題を解決していくための協議会をつくりたい」と明言。関連学会や有識者で構成するとした。寺本氏は、「できるだけ早く協議会を設置し、21年度のシーリング案を検討する」と意欲を見せた。
同日の会見で寺本氏は、専攻医のフォローアップを目的とした「専攻医研修実績システム」を整備する方針を明らかにした。同システムでは専攻医が研修の期間や場所、内容などの項目を記入。統括責任者が記載内容をチェックし、承認するというもの。寺本氏は、「将来的にはデータベースとして使えるようにしたい」と述べた。入力は専攻医や統括責任者の義務として定めるという。
なお、日本内科学会ではすでに、専攻医登録評価システム「J-OSLER」を構築している。寺本氏は、J-OSLERとの関係性について、「統合できればベスト」としつつ、「今のところ両方入力しなければいけない」と説明した。