日本専門医機構は6月29日、新理事長に東京北医療センター顧問の渡辺毅氏を選出し新体制がスタートした。就任から1カ月半が経った渡辺氏に、理事長としての抱負と専門医制度の課題を聞いた。
私は、当機構の前身の日本専門医制評価・認定機構の時代、そして、2014年設立の当機構の第1期から理事を務めさせていただいています。かつては日本内科学会専門医部会の委員や会長を務めるなど、20年近く、専門医の問題に取り組んできました。これまでの経験を生かし、新専門医制度が国民から信頼される制度になるように、全力で取り組んで行きたいです。
現時点では、18年に始まった新専門医制度の基本的な枠組みはほぼ完成に至っています。私が理事長を拝命した第5期は、基本領域専門医制度やサブスペシャルティ領域専門医制度の残された課題、当機構の財政健全化などに対処し、制度の安定的運営に至る過渡的な位置づけと考えています。
専門医制度の目的は、簡単に言えば、高い技量、知識、人間性、社会性を持った医師を育成し、国民誰もが標準的で安心できる医療が受けられるようになることです。そういう観点から常に枠組みを作り直して行く必要もあります。