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■NEWS 地域枠、自治医大卒の医師はシーリング枠外で採用できるよう要請へ―医師専門研修部会で厚労省

登録日: 2019-09-13

最終更新日: 2019-09-13

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2020年度専門研修プログラムについて厚生労働省は911日、地域枠医師や自治医大卒の医師をシーリング(採用数上限)の対象から外して採用できるようにする案を提示した。同日の医道審議会医師分科会医師専門研修部会(遠藤久夫部会長)で厚労相からの意見・要請案として示し、大筋で了承された。厚労省は近く日本専門医機構に意見・要請する方針。機構は920日の理事会で対応を決定した上で、20年度の募集を開始する。

20年度プログラムでは、厚労省が算出した必要医師数に基づき、養成数を決定する。都道府県別で、16年の医師数が16年と24年の必要医師数を上回る診療科はシーリングの対象となる。地域枠や自治医大卒の医師は医師少数区域での勤務など特定の従事要件が課されているため、シーリングがこうした専攻医の不利益になる可能性が懸念されていた。

同日の部会で厚労省担当官は、地域枠や自治医大卒の医師をシーリングの対象から外して採用することについて「各都道府県の地域医療対策協議会(地対協)で個々に議論することが前提だ」と説明。これについて参考人として出席した機構の理事長である寺本民生氏は賛同の意を示した。釜萢敏構成員(日本医師会)も「都道府県の地対協で峻別していくということでいいと思う」と述べた。

■カリキュラム制の整備基準、10基本領域学会で未提出

このほか厚労省は要請案として、各基本領域学会におけるカリキュラム制の速やかな整備も挙げた。

専門研修プログラムは、一定の年限の中で研修を行うプログラム制を原則としているが、地域枠医師や出産により休職した医師など合理的な理由がある場合にも専門医を取得できるよう配慮したカリキュラム制の整備が求められている。

日本専門医機構は19基本領域学会に対し、6月末までにカリキュラム制の整備基準を提出するよう要請していたが、10領域で未提出だという。

厚労省担当官は、「同部会や各地方団体などから常に要望をいただいているが、まだ実現していない。事務局として大変重く受け止めている」と問題視。立谷秀清構成員(全国市長会会長)は、「地域医療に貢献して報われる制度にするよう求めてきた。プログラム制とカリキュラム制を同時に整備することが前提条件だったはず。整備されていないのは極めて遺憾だ」と厳しく批判した。

これに対し寺本氏は、「文書にする上での記載の仕方について、複数の基本領域学会から質問があった。まったく整備されていないわけではない」と説明。その上で、カリキュラム制について専攻医への周知が不足しているとして、「カリキュラム制を選択できることについて、アナウンスすることを考えている」と述べた。

参考人として出席した寺本日本専門医機構理事長

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