厚生労働省の「医療機能情報提供制度・医療広告等に関する分科会」は3月25日、日本専門医機構の基本領域に対応する16の学会認定専門医について、当面の間に限り広告を認めるとしていた経過措置を2028年度末で終了する方針を固めた。29年度以降はこれら専門医の広告が不可となる。
21年10月に行われた告示改正で、広告可能な専門医は機構が認定する19の基本領域の専門医に限定された。その際、従来の規定に基づいて厚労省に届出を行い、広告が認められていた56の学会認定専門医に関しては、当面の間は広告を認める経過措置が設けられた。このため、基本領域では名称の似通った機構の認定専門医と学会認定専門医が混在することになり、国民・患者から見てわかりにくいとの指摘があった。
そこで分科会は、56の学会認定専門医のうち、機構が認定する19の基本領域に対応する16の学会認定専門医(日本外科学会の外科専門医などが該当)は、28年度末を目処に広告を認める経過措置を終了することを決定。ただし、28年度末までに該当する学会認定専門医を取得または更新した医師については、更新による認定期間の開始日から起算して5年間に限り、広告を認める。また、将来、新たな学会認定専門医について広告の可否を判断する際にも、19の基本領域と同一の専門性がある専門医の場合は広告を認めない。
同日の分科会では、サブスペシャルティ領域の機構認定専門医と基本領域以外の学会認定専門医の取り扱いも議論した。
機構認定のサブスペ領域の専門医は、(1)基本領域の研修との連動研修が可能な領域、(2)連動研修を行わない領域、(3)少なくとも1つのサブスペ領域の修得後に研修を行う領域―に大きく分けられる。このうち(1)は基本的に広告可とすることを前提に、まず機構において研修制度整備基準、認定・更新基準、専門医名称を整備。整備が完了したものから分科会で個別に広告の可否を検討していく方向性を確認した。
(2)、(3)の機構認定のサブスペ領域の専門医と、基本領域以外の学会認定専門医の広告の可否については、分科会で新たな判断基準を検討・定めた上で、基準に該当する専門医は基本的に広告を容認。その際には、国民・患者の受療行動等への影響も考慮し、総合的に判断すると整理した。