株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

喉頭炎[私の治療]

No.4966 (2019年06月29日発行) P.53

松崎洋海 (日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野准教授)

牧山 清 (日本大学医学部客員教授)

登録日: 2019-06-27

最終更新日: 2019-06-25

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 「音声障害診療ガイドライン2018年版」1)において,広義の喉頭の炎症性疾患は,喉頭の関節炎,喉頭粘膜の急性炎症(急性喉頭炎,急性声門下喉頭炎,急性喉頭蓋炎),咽喉頭逆流症,喉頭知覚過敏,その他,に分類される。急性症状を呈するものには急性喉頭炎,急性声門下喉頭炎,そして急性喉頭蓋炎があるが,後者2疾患は別稿を参照されたい。喉頭炎の原因の多くはウイルス感染による上気道炎だが,ウイルス感染以外にも細菌性,咳嗽に伴う炎症,喫煙,音声酷使,外傷,胃食道逆流などが挙げられる。
    本稿では,狭義の急性喉頭炎および咽喉頭逆流症について記載する。

    ▶診断のポイント

    問診では,感冒様症状の並存や先行,喫煙習慣,音声を酷使するような生活習慣や職種の確認,などが原因の推定に大切である。また,胃食道逆流性疾患(gastro esophageal reflux disease:GERD)を疑わせる咽喉頭違和感,慢性咳嗽,呑酸,ゲップなどの症状を確認する。続いて,喉頭ファイバースコープ検査を行い,他覚的喉頭所見を確認する。その際,粘膜の腫脹・発赤・浮腫の程度や部位を確認する。特に,気道狭窄の有無を確認することは重要である。

    残り1,699文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top