日本医師会の釜萢敏常任理事は24日の定例会見で、医師偏在対策の一環として都道府県が2019年度中に策定する「外来医療計画」に関して、「国による管理でも開業制限でもない」と述べた。日医執行部は6月の定例代議員会などでも「自主的な行動変容を促すもので開業規制ではない」と繰り返し理解を求めてきたが、なおも現場の懸念の声が根強いことから改めて主張した形だ。
外来医療計画は、都道府県が「医師確保計画」と共に19年度中に策定し、20年度から実施するもの。外来医療機能の偏在の状況を可視化した指標に基づき、全国の2次医療圏単位の上位3分の1を「外来医師多数区域」と定義。同区域での新規開業希望者には、地域で不足している外来機能(夜間・休日の初期救急医療、在宅医療、産業医、学校医、予防接種など)を担うことが求められる。これに新規開業希望者が応じない場合、地域の「協議の場」への出席要請などがなされる。
会見で釜萢敏常任理事は、厚生労働省医政局の鈴木健彦地域医療計画課長が7月18日の社会保障審議会医療部会で「外来医療計画は、医師の開業を強制的に制限するものでは全くない」と発言したことを紹介。外来医療資源と需要が可視化されることで、開業を考える際の有用な情報になるとして、外来医療計画の意義を説いた。
協議の場の存在をもって事実上の開業規制とする見方についても、「協議の場には強制権限はなく、仮に協議が決裂しても開業ができないわけではない」と述べ、開業の自由を損なうものではないと強調した。
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