【有効性は認められており,副作用も2回接種と差異はなく,忍容できると思われる】
23価肺炎球菌莢膜型ワクチン(ニューモバックスⓇ)の再接種についての報告の多くは2回目までのものです。3回目以降の成績についての文献は,調べた限りでは,2011年に報告されたアラスカの住民におけるもののみでした1)。
1994~2009年,アラスカでは55歳以上の住民について,6年ごとに23価肺炎球菌ワクチンの接種が行われていました。この報告では,ワクチンを1回接種群,2回接種群,3回以上接種群にわけてその効果を検討していますが,ワクチン接種後の各血清型に対するIgG値,オプソニン活性は3群間で差を認めず,3回以上の接種でも有効性が認められました。
また,再接種群では初回接種群に比して,関節痛,疲労感,頭痛,局所の腫脹,上腕運動の制限が多く認められましたが,2回接種群と3回以上接種群では差異はみられなかったと報告されており,忍容できるものであるとしています。
【文献】
1) Hammitt LL, et al:Vaccine. 2011;29(12):2287-95.
【回答者】
石田 直 倉敷中央病院呼吸器内科主任部長