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23価肺炎球菌ワクチンの3回目接種は行うべきか?

No.4976 (2019年09月07日発行) P.54

石田 直 (倉敷中央病院呼吸器内科主任部長)

登録日: 2019-09-10

最終更新日: 2020-10-09

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23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®NP)の3回目の接種について,3年前に3人の呼吸器内科専門医に意見を聞いたところ,①3回目は副作用ばかり出て効果はない,②3回目を接種することは意味がある,③3回目のことに関してはあまりはっきりしたことはわかっていない,と三者三様の意見でした。それ以降,国内外での3回目接種の臨床治験の結果は出ているのでしょうか。3回目接種の効果と副作用に関してご教示下さい。倉敷中央病院・石田 直先生に。
(静岡県 M)


【回答】

【有効性は認められており,副作用も2回接種と差異はなく,忍容できると思われる】

23価肺炎球菌莢膜型ワクチン(ニューモバックス)の再接種についての報告の多くは2回目までのものです。3回目以降の成績についての文献は,調べた限りでは,2011年に報告されたアラスカの住民におけるもののみでした1)

1994~2009年,アラスカでは55歳以上の住民について,6年ごとに23価肺炎球菌ワクチンの接種が行われていました。この報告では,ワクチンを1回接種群,2回接種群,3回以上接種群にわけてその効果を検討していますが,ワクチン接種後の各血清型に対するIgG値,オプソニン活性は3群間で差を認めず,3回以上の接種でも有効性が認められました。

また,再接種群では初回接種群に比して,関節痛,疲労感,頭痛,局所の腫脹,上腕運動の制限が多く認められましたが,2回接種群と3回以上接種群では差異はみられなかったと報告されており,忍容できるものであるとしています。

【文献】

1) Hammitt LL, et al:Vaccine. 2011;29(12):2287-95.

【回答者】

石田 直 倉敷中央病院呼吸器内科主任部長

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