医療関係40団体でつくる「国民医療推進協議会」は10月8日に総会を開き、2020年度の診療報酬改定に向け、持続可能な社会保障制度の確立に向けた財源の確保を求め、決議を採択した。
同協議会の横倉義武会長(日本医師会)は、政府の「全世代型社会保障検討会議」において今後、医療費の抑制策と患者負担増を巡って厳しい議論が展開されることを見据え、「社会保障制度のあり方は大きな転機を迎えていく大変重要な時期に入っている」と指摘。「人生100年時代において、国民の納得を得られる給付と負担のあり方を導き出すことが重要だ」との考えを述べた。
厳しい財政状況の中で行われる次期改定に向けては、「公共財である医療介護の充実は多くの国民の願いであり、国家的事業として最優先されるべき」と強調。「医療関係者の人件費も含めた医療経営の実質的な原資は診療報酬しかない」として、医療提供体制の構築や維持のための財源確保の必要性を訴えた。
横倉氏は医療職の働き方改革についても言及した。具体的には、多くの医療職の定年が60歳であることを指摘。「(勤務時間の減少などによって)70歳前後までは十分に働くことができる」として、社会参画が可能なうちは参画できる環境の整備を求めた。