【質問者】
馳 亮太 成田赤十字病院感染症科部長
【一過性にSLE分類基準を満たしてしまうことに注意】
ヒトパルボウイルスB19(parvovirus B19:PVB19)感染症は,特に小児における伝染性紅斑の原因ウイルスとして有名ですが,成人では小児とは違ったプレゼンテーションで受診します。関節痛・関節炎が表立ち,皮疹は四肢にレース様に淡く認めるのみで(しばしば浮腫性),頬部紅斑は稀で,皮疹自体を認識されていないこともあります1)。
関節炎は伝染性紅斑,骨髄無形成発作,赤芽球癆とともにPVB19の臨床像として浸透していますが2)3),ほかにも紫斑を含む様々な形態の皮疹,心囊水,腹水,肺炎,肝酵素上昇,急性腎障害などの症候も呈するため,血管炎,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),炎症性筋疾患などのリウマチ膠原病を想起させます4)5)。
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