株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

口臭症[私の治療]

No.4984 (2019年11月02日発行) P.44

渡邊 章 (東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座講師)

登録日: 2019-10-31

最終更新日: 2019-10-30

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 口臭症とは,本人または第三者が不快と感じる呼気の総称である。
    ①生理的口臭には,加齢性口臭,起床時口臭,空腹時口臭,緊張時口臭,疲労時口臭,などが挙げられる。また,ホルモンの変調などに起因するものには生理的口臭,妊娠時口臭,月経時口臭,思春期口臭,更年期口臭,などがある。嗜好物・飲食物・薬物による生理的口臭,ニンニク,アルコール,薬物(活性型ビタミン薬),などによるものがある。
    ②病的(器質的・身体的)口臭は,歯科口腔領域の疾患として歯周炎,特殊な歯肉炎,口腔粘膜の炎症,舌苔,悪性腫瘍,などが挙げられる。また,耳鼻咽喉領域の疾患として,副鼻腔炎,咽頭・喉頭の炎症,悪性腫瘍,などがある。全身(内科)疾患として,糖尿病(アセトン臭),肝疾患(アミン臭),腎疾患(アンモニア臭),などがある。

    ▶診断のポイント

    ガスクロマトグラフィーや口臭測定器を使用し,揮発性硫化物の濃度を測定し,メチルメルカプタンが口臭の客観的評価になる。さらに,明らかな重度歯周病,副鼻腔炎,腫瘍などの壊死組織,全身疾患などの病態を確認する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    口臭の種類を鑑別し,客観性を持って病態を十分に説明する。生理的口臭に関しては,口腔内環境の整備や生活習慣の改善を指導する。病的口臭に関しては,原因となる疾患の治療をしつつ対症療法の投薬を行う。

    残り400文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    関連物件情報

    もっと見る

    page top