診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会は10月30日、2020年度診療報酬改定に向けた分科会の検討結果の報告案を大筋で取りまとめた。分科会長一任での字句修正を経て、近く中央社会保険医療協議会・基本問題小委員会に報告する。これを受けて、総会では入院医療に関する踏み込んだ議論が開始されることになる。
取りまとめは、前回10月16日の会合に提示された案に、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の評価項目や、「特定集中治療室管理料」算定患者の生理学的スコア(SOFAスコア)に関する記載などを追加した内容。
一般病棟用の看護必要度では、18年度改定で新設された該当患者の新基準(B項目の診療・療養上の指示が通じない、または危険行動ありに該当し、A得点1点以上かつB得点3点以上:基準2)だけに該当した者の割合が、一般病棟よりも療養病棟で高かったことなどを掲載。急性期病棟と療養病棟では日々の患者の変化に差があることから分析の継続を求める意見のほか、急性期医療の必要性を評価する指標としての基準2の妥当性を疑問視する意見があったことを報告した。
個別評価項目では、A項目とC項目の対象薬剤や、処置、手術について、入院の必要性に着目して整理するべきとの意見があったことを追記。B項目に関しては、現在は一体化されている患者の状態と、介助の実施の有無の評価を区分する提案があったことを紹介した。
「特定集中治療室管理料」の関係では、ICU用の看護必要度では評価できない患者像を評価するためにSOFAスコアの活用を検討するべきとの意見や、同スコアの提出を必須とする対象を現在の管理料1、2以外にも拡大してはどうかとの意見があったことを記載した。