【質問者】
高畑雅彦 北海道大学大学院医学研究院整形外科学教室 准教授
【骨髄間葉系幹細胞やiPS細胞など,複数の臨床治験が国内で開始された】
現在,脊髄損傷に対して行われている治療は,骨折や脱臼を可及的早期に整復固定し脊髄を安定化させることで,さらなる神経機能の悪化を予防することが中心です。損傷した脊髄に対して,過去にはステロイド大量療法なども行われていましたが,現在ではその効果や副作用の面から国際的な基準においても推奨されておらず,有効な治療法は存在しませんでした。しかし,近年の再生医療の機運の高まりから,国内の複数の研究拠点や大学病院において医師主導治験等含めた臨床治験が始まっており,脊髄損傷治療が新たな段階に入ったと言ってよいと思います。
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