中央社会保険医療協議会総会は4月24日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、在宅医療における診療報酬上の臨時特例措置を了承した。「在宅時医学総合管理料」や「施設入居時等医学総合管理料」(以下、在医総管等)の算定患者について、4月に限り、電話診療のみの場合も所定点数の算定を認める扱いとする。感染への懸念から在宅医療を受けている患者から訪問を拒否される事案が発生していることに対応したもの。
厚生労働省は、患者やその家族から訪問控えの要請があった際には、医療上の必要性を説明するなどして訪問診療の継続に努めるよう求めており、今回の特例的措置は、それでも説得に応じず、訪問を拒否された場合が適用対象になる。
在医総管等で3月に「月2回以上訪問診療を行っている場合」の管理料を算定していた患者については、4月に限り、訪問診療と電話診療各1回、あるいは2回とも電話診療の場合も2回以上訪問の点数算定を容認。5月以降は1カ月間に限って訪問診療と電話診療の組み合わせでも、月2回以上訪問の管理料算定が可能だが、翌月以降も同様の状況が継続する場合は診療計画を変更して、月1回訪問の管理料算定に切り替えなければならない。
3月に「月1回訪問診療を行っている場合」の在医総管等を算定していた患者については、4月に限り、電話診療だけを複数回実施した場合も管理料の算定が可能。ただし、5月以降は通常ルールに戻し、訪問診療なしでの管理料算定は認めない。
また、新型コロナウイルス感染症患者や感染が疑われる患者に対して、感染予防策を講じた上で往診を行った場合は、外来診療と同じく「院内トリアージ実施料」を算定できることとする。
訪問看護ステーションからの訪問看護についても同様の措置を講じる。具体的には、月に1日以上訪問看護を実施し、電話などで病状確認や療養指導を行った日には、▶訪問看護管理療養費、▶管理療養費の加算、▶訪問看護情報提供療養費―のみ算定することが可能。その際には、利用者や家族から同意を得た上で、同意取得や電話などによる対応の内容を記録に残すことが要件として求められる。新型コロナウイルス感染症患者やその疑いがある患者に対して訪問看護を行った場合は、「特別管理加算」を算定する。
なお、同日の総会は、新型コロナウイルスの感染防止のためオンラインで開催され、厚労省の動画チャンネル(YouTube)でライブ配信された。