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【私の一本】『AWAKENINGS』

No.4724 (2014年11月08日発行) P.73

齋藤昭彦 (新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-17

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  • 邦題は『レナードの朝』。1990年製作のアメリカ映画(コロンビア映画社配給)、ペニー・マーシャル監督作品。日本公開は91年。
    〔写真筆者提供〕

    医師としての基本姿勢を覚醒させてくれる映画

    この映画は、ニューヨーク大学の神経学教授であり、作家でもあるオリヴァー・サックスが著した実話を基にフィクションとして映画化した名作である。

    舞台は1969年のニューヨーク、ブロンクスの病院で、ロバート・デ・ニーロらが演じる長期間昏睡状態にあった患者たちが、新薬治療によって徐々に眠りから覚め(awakening)、昔の元気な自分に戻る様子が巧みに描写されている。その奇跡のような出来事は、医療の進歩が人類に幸福を与えることを伝えるに十分である。一方で、物語の最後にはすべての患者が治療前の状態に戻ってしまい、医療の限界をも十分に伝えてくれる。

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