薬疹は体内に摂取された薬剤,あるいはその代謝産物によって誘発される,皮膚や粘膜に生じる発疹である。皮疹として紅斑や丘疹を呈するものが多いが,原因薬剤によって様々な皮膚病変を呈する。
薬剤摂取歴(皮疹の出現時期,薬剤の投与期間,類似薬を含む薬疹の既往歴の有無など)の詳細な問診が必須である。通常,原因薬剤を摂取してから1~2週間後に発症しやすいが,乾癬型薬疹や薬剤性過敏症症候群など数カ月以上の長期内服後に発症する薬疹や,造影剤のように1回投与のみで遅れて約1週間後に皮疹が出現するタイプも存在するため,注意を要する。いかなる薬剤も様々な皮疹を誘発する可能性があるが,薬剤ごとに出現頻度の高い皮疹が明らかになっており,診断の手がかりとなる(表)。原因薬剤の同定に役立つ検査としては,薬剤リンパ球刺激試験(DLST)とパッチテストが比較的安全に施行可能である。プリックテスト,皮内テストや再投与試験を行うこともある。
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