日本で患者数が4300万人に上る高血圧症について議論する第37回日本高血圧学会総会(10月17〜19日)の会長を務める。テーマは「高血圧診療・研究の原点と将来」。第1回総会と同じ横浜市で開く今年の総会では、診療の原点として諸外国の新しい高血圧治療ガイドラインを取り上げる。「日本では今年、米英欧も最近改訂されましたので、それぞれの作成委員長を招聘し、比較検証します」
成因面では、高血圧関連遺伝子の関与や交感神経系の役割について議論。治療面では動脈硬化や血圧の測定方法を検討する。さらに社会問題に発展した研究不正問題や日本人間ドック学会の新基準に関しても「患者さんのため」という原点に立ち議論する予定だ。
「高血圧診療・研究は大きく進歩しましたが、一方で患者数は増加し、降圧目標(140/90mmHg未満)に達しているのは4分の1に過ぎない。高齢化によって、2050年には患者の半数が75歳以上という推計もあるので、将来を考える上で一度原点に立ち返り、成果と課題を整理することが必要です。多くの先生にご参加いただき、議論したいですね」
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