株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 22年度改定に向けた実調、単月調査の実施は春頃に判断―中医協調査実施小委

No.5051 (2021年02月13日発行) P.69

登録日: 2021-02-05

最終更新日: 2021-02-05

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省は23日の中央社会保険医療協議会調査実施小委員会に、医療経済実態調査の調査項目の見直し案や、新型コロナウイルス感染症の影響が小さい月を対象に行う単月調査の調査項目案などを示した。委員から異論はなく、単月調査は調査項目を絞り込んで簡素化し、実施の可否は今後の感染状況を踏まえて春頃に最終決定する方針が固まった。

前回の調査実施小委では、単月調査の追加実施について、実調本体(年度調査)の回答率の低下を懸念する声があった。このため厚労省は、月次調査の項目について、例えば一般病院の場合は、年度調査では49ある調査項目を収益、費用双方の内訳項目を可能な限り省略して11まで絞るなど、簡素化して回答施設の負担軽減を図ることを提案。調査実施の最終判断は、春頃を目処に、その時点における新型コロナの感染状況と、単月調査の実施に伴う回答施設の負担感などを勘案しながら改めて議論し、決定する考えを示した。

■年度調査は新型コロナ関連項目を追加、患者の受入有無で損益状況を比較

一方、実調本体に関しては、新型コロナの影響を把握するため、▶病院の基本データの項目に、「重点医療機関・協力医療機関の指定状況」と、「新型コロナウイルス感染症入院患者の受入状況」を追加する、▶一般診療所の基本データの項目に「診療・検査医療機関の指定状況」と「新型コロナウイルス感染症疑い患者の受入状況」を追加する―見直しを実施。損益の状況を重点医療機関などの指定の有無別、感染患者の受入状況別で比較・分析する。

決算月の違いによって新型コロナの影響に差が出る可能性があるため、3月決算の施設だけを集計した結果を公表することも提案した。

議論で、診療側の今村聡委員(日本医師会副会長)は、医療は労働集約型産業であるために新型コロナの影響の有無に関係なく、どの月を切り取っても人件費比率は極めて高くなるなどと指摘。単月調査の結果分析にあたっては、そうした実態を踏まえた工夫が必要だと注文をつけた。支払側委員の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)や幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、年度調査の結果だけで次回診療報酬改定を論じるのは困難との見方を示し、単月調査の実施を強く求めた。

次回は厚労省が作成した調査票と記載要領の案をもとに議論を継続する。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top