アストラゼネカとMSDは1月20日、昨年12月に新たに3つの適応症の承認を同時取得したPARP阻害剤「リムパーザ」(一般名:オラパリブ)についてメディア向けセミナーを開催した。
リムパーザが新たに取得した適応症は①進行卵巣癌(相同組換え修復欠損(HRD)を有する卵巣癌におけるベバシズマブを含む初回化学療法後の維持療法)、②前立腺癌(BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌)、③膵癌(BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法)─の3つ。
1月20日のセミナーでアストラゼネカの地主将久オンコロジー部門長は、PARPの阻害によりBRCA遺伝子変異の癌細胞のDNA修復機構を破綻させ細胞死をもたらすリムパーザの作用機序を説明した上で、今回の適応拡大の意義として、コンパニオン診断でBRCA遺伝子変異が確認された前立腺癌や膵癌の患者に新たな治療選択肢を提供し個別化医療につなげられる点を強調した。
リムパーザについては、子宮内膜癌や非小細胞肺癌などへの適応拡大に向けた臨床試験も現在進められている。
「リムパーザ錠」の用法・用量
1回300mgを1日2回経口投与。HRDを有する卵巣癌におけるベバシズマブを含む初回化学療法後の維持療法の場合、ベバシズマブとの併用において1回300mgを1日2回経口投与