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アドバンスト大腸ESD 難渋・限界症例への対応とトラブルシューティング

かゆいところに手が届く,大腸ESD施行医必須の指南書!

定価:7,920円
(本体7,200円+税)

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編著: 田中信治(JA尾道総合病院 病院長/広島大学 名誉教授)
判型: B5判
頁数: 244頁
装丁: カラー
発行日: 2024年02月29日
ISBN: 978-4-7849-0363-4
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

・大腸ESDを施行する上で避けられない,難渋症例・限界症例,トラブル事例について,具体的なケースを提示しながら解説した1冊。
・全38症例で豊富な画像を掲載しながら,エキスパートならではのコツ・ノウハウを惜しげもなく披露しています。
・31本の動画付きで,初級〜中級内視鏡医のさらなるスキルアップが可能になります。
・本書を読み通して,様々な症例に対応できる応用力を身につけましょう!

診療科: 内科 消化器内科

目次

1章 難渋症例への対応
1 スコープ操作性が不良の場合
2 病変が真正面に対峙している場合
3 呼吸性変動,大動脈の拍動の影響が強い場合
4 虫垂内に病変が進展している場合
5 回腸内に病変が進展している場合
6 丈の高いヒダ上に馬乗りでまたがる病変
7 痔核を有する歯状線に接する病変
8 バウヒン弁の真裏に局在する病変
9 高度線維化を伴う病変
10 線維化を背景に伴う潰瘍性大腸炎関連腫瘍
11 筋層牽引所見を呈する大型隆起性病変
12 血管が豊富で止血に難渋する場合
13 粘膜下層が出血で炭化してしまい剥離が困難な場合
14 脂肪が豊富で剥離やレンズの曇りに難渋する場合
15 SM高度浸潤病変を切除する場合

2章 限界症例の見きわめ・方針転換
1 線維化や筋層挙上により剥離継続が困難な場合
2 巨大病変で施術に長時間を要する病変
3 病変が憩室を伴っている場合
4 EMR/ESD後の局所再発病変
5 高度線維化のため筋層と粘膜下層が判別できない場合
6 大腸ESDの適応としての病変サイズの限界
7 穿孔の完全縫縮が困難な場合
8 激しい動脈性出血がコントロールできない場合

3章 トラブルシューティング
1 粘膜切開後にうまく粘膜下層に潜り込めない場合
2 出血で視野が不良になった場合
3 出血点がなかなか同定できない場合
4 小さな穿孔が生じた場合
5 大きな穿孔が生じた場合
6 スコープがたわんで操作性が低下してきた場合
7 管腔内の送気量調整の重要性
8 病変に切れ込んでしまった場合
9 筋層に断裂や熱損傷が生じた場合
10 筋層からびまん性にoozing出血を認めたとき
11 ナイフが左右に振れないスコープ操作性の状況
12 IT-nanoで穿孔を生じさせないための注意点
13 患者に皮下気腫が生じた場合
14 術後の腹痛とCRPの監視および食事開始のタイミング
15 遅発性穿孔の予防法と実際に生じた場合の対応

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序文

大腸ESDは2012年に保険収載されて以降,デバイスの開発・改良と施行医の技術向上,特にトラクションテクニックの普及,pocket-creation method(PCM)などにより手技の難易度がかなり低下し,早期大腸癌に対する標準手技として全国的に広く普及している。一方で,大腸は長い内腔臓器でハウストラや屈曲も多く,スコープ操作性の悪い場所も存在する。また,壁が薄いため,現在でも胃に比べて穿孔などの偶発症の発生率は高い。腸管の癒着,線維化の存在,局在特性を含めて病変自体の難易度が高い剥離困難例も存在し,技術的ハードルが高い症例も少なくない。
大腸ESDの基本的なテクニックやコツについては,既に多くの書籍で取り上げられているのでそちらに譲り,本企画では,難渋症例への対応および限界症例の見きわめ・方針転換,偶発症への対処についての詳細な解説書を作成することを目的とした。全国の大腸ESDに関するエキスパートに執筆を中心に依頼し,編集させて頂いた。
まずは目次をご覧頂きたい。本書は次の3つの章から構成されている。第1章では,難渋症例への対応,困難な症例をどのように切り抜けたのか,症例ごとに手技・工夫の解説をした。第2章は,限界症例の見きわめ・方針転換に関する内容としている。安全性や根治性の観点から,どのような症例で中止を決断し,どう方針転換したのか(外科切除や集学的治療など)を解説頂いた。第3章では,日々の大腸ESDで直面する細かなトラブルシューティングについて,コツとノウハウを包み隠さず披露して頂いた。まさに,“かゆいところに手の届く,大腸ESD施行医必須の指南書”になっていると思う。
本書によって,大腸ESDを施行されている初級〜中級内視鏡医のさらなるスキルアップが可能になることを確信しているし,ESD標本の質的向上にも寄与すると期待している。諸兄におかれましては,是非とも手に取って中身をご一読頂けると幸いである。
最後に,ご多忙の中で執筆頂いた先生方に深い感謝の意を表するとともに,今回このような成書を作成する機会を与えて下さった日本医事新報社に深謝する。
2024年2月
JA尾道総合病院 病院長/広島大学 名誉教授 
田中信治

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公立小浜温泉病院

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