編著: | 加藤 順(千葉大学医学部附属病院内視鏡センター長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 216頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2021年12月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-6677-6 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
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第2章 診断
1. IBDの症状
1. IBDを疑う臨床症状・腸管外合併症
2. IBD の診断
1. UC・CD の診断総論
2. UC・CDの内視鏡像
3. UC・CDの病理所見
4. 鑑別すべき疾患
1. IBDにおける血液検査所見とその見かた
2. IBDにおける便検査の使い方
3. CDにおける小腸検査の種類と使い方
4. IBDにおけるCTとMRIの使い方
5. IBDにおける腹部超音波検査の使い方
第4章 治療総論と内科治療
1. IBDの治療
1. 治療目標と治療総論
2. UCの治療
1. UCの治療の流れ,重症度分類,治療選択,外科治療のタイミング,専門医紹介のタイミング
3. CDの治療
1. CDの治療の流れ,重症度分類,治療選択,外科治療のタイミング,専門医紹介のタイミング
4. IBDの治療薬・治療法
1. 5-ASA製剤
2. ステロイド(PSL)
3. チオプリン製剤
4. 局所製剤
5. 栄養療法
6. アフェレシス
7. 経口ブデソニド
8. シクロスポリン
9. タクロリムス
10. 抗TNFα抗体
11. ベドリズマブ
12. ウステキヌマブ
13. トファシチニブ
14. 青黛
5. 分子標的薬
1. 分子標的薬の使いわけ
1. UCの手術適応と術式
2. CD腸管病変の手術適応と術式
3. CD肛門病変の特徴と治療について
4. 内視鏡的治療(バルーン拡張)について
5. 発がんとサーベイランスおよび治療法
1. IBD患者の日常生活の注意点
2. 腸管外合併症とその治療
3. 治療による副作用,合併症とその予防,治療
4. 生物学的製剤による副作用とその対処法
5. IBDの貧血とその治療
6. 一般診療所におけるIBD診療
7. IBD専門クリニックにおけるIBD診療
8. 難病制度や患者が利用できる社会制度など
9. IBDにおけるジェネリック薬とバイオシミラー
10. IBDの今後の新薬とその問題点
1. 小児
2. 妊娠・出産
3. 高齢者および担がん患者
4. B型肝炎および結核のスクリーニングと予防法
わが国の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)患者数が急速に増加するにしたがい,専門医・非専門医にかかわらず,IBD患者を診療する機会が増えていることと思います。一方で,治療のための薬剤やモニタリングのための検査法なども次々と新しいものが登場しています。多くの医療者におかれましては,患者数および診療に必要な知識の増大に,なかなかついていけないところもあるのではないでしょうか。
IBD診療には,他疾患の診療ではあまりみられない特徴がいくつかあります。特に,下記に示す事項が診療する上で重要なことと感じています。
本誌の企画をいただいた段階で,このようなIBD診療の特徴をふまえた上で,非専門医の先生にもよく理解できる内容にすることをめざしました。
本誌はIBDの基本的な知識を,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)とクローン病(Crohn’s disease;CD)を対比する形で網羅的に編纂しています。それにより,専門医でない先生ではしばしば混乱しがちなUCとCDの知識を整理して理解できるようになっています。執筆は,主に小生が所属してきた施設の第一線でIBD診療にあたっている医師や,小生が普段お世話になっているその道のスペシャリストにお願いしました。原稿を読ませて頂き,期待以上に素晴らしい内容となっていることに感動しました。小生が専門医として理解していると思っていたことも,より詳細に書かれていることが多く,自身の知識の整理にもきわめて有効でした。日本医事新報社の編集部のレイアウト能力も光っています。
本誌が読者の皆様の明日からの日常臨床に役立つことを確信するとともに,1人でも多くのIBD患者がhappyに過ごせることを心より願っております。