厚生労働省は4月6日、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い(その40)」を、都道府県などに送付した。禁煙治療について、当面の間は初回および5回目の診察もオンラインでの実施を容認することや、その際の診療報酬算定の考え方を示した。
2020年度の診療報酬改定では、「ニコチン依存管理料」について、全5回の禁煙治療のうち、2回目から4回目をオンラインで行った場合の点数や、一連の治療に対する包括報酬が設定された。事務連絡で厚労省は、新型コロナ対応の特例として、関係学会が策定した「禁煙治療のための標準手順書(第8版)」に沿って行えば、初回と5回目の治療もオンラインによる実施で差し支えないことを明記。その際の報酬算定については、初回は「特定疾患療養管理料2」の147点を、5回目は「ニコチン依存症管理料1のロ(2)」の155点(2~4回目をオンラインで行った場合の報酬)を算定するよう指導した。初回からオンラインで行った場合にも、一連の治療に対する報酬である「ニコチン依存症管理料2」(800点)を算定できることも併せて示した。
基本診療料との関係では、初回診療時に147点を算定した場合は、「初診料」として214点を別に算定できると説明(他の疾患について当該医療機関で初診があった場合は「再診料」の73点を算定)。だが、5回目に155点を算定した場合に、「再診料」、「外来診療料」、「往診料」、「在宅訪問診療料(I)、(II)」を併算定することはできない、と整理した。
事務連絡はこのほか、「回復期リハビリテーション病棟入院料」の「体制強化加算1」を算定する医療機関が、専従医師要件を満たせなくなった場合の特例も示した。同加算の専従医師の要件では、リハビリテーション医療の3年以上の経験や研修の受講が求められるが、一部医療機関では新型コロナの影響で医師が研修を受講できず、要件を満たせなくなる恐れが出ていた。
こうしたケースについて厚労省は、直ちに辞退の届出を行う必要はないが、要件を満たせない期間中に加算を算定することはできないとの取扱いを示した。特例の対象になるのは、▶新型コロナ感染患者を受入れている、▶感染患者受入れ医療機関に職員を派遣している、▶新型コロナに感染または濃厚接触者になって出勤できない職員がいる―などに該当する医療機関。ただし、緊急事態宣言の発令期間中は、すべての医療機関に対象が拡大される。