小児・高齢者に多く,初期治療を誤ると除去が困難になり,全身麻酔下での処置を要することもある。頻度としては口蓋扁桃の魚骨異物が最多である。咽喉頭の異物では常に気道閉塞のリスクを念頭に置く。緊急性のない異物は,後日耳鼻科を受診させる。
発症経緯:いつ,どこ(耳・鼻・咽喉頭)に何を詰まらせたのか聴取する。可能であれば異物と同じものを持参してもらう。
合併症状:まずは呼吸苦がないかを確認する。疼痛,嚥下困難の有無についても聴取する。
咽喉頭異物の場合は,呼吸状態を確認する。
外耳道:拡大耳鏡を用いて観察する(「外耳道異物」の稿参照)。
鼻腔:鼻鏡を用いて観察する。鼻腔前方以外の異物は,内視鏡による観察が望ましい。
咽喉頭:頸部の腫脹,皮下気腫の有無を確認する。口腔および扁桃異物は開口させることで観察が可能である。舌根より足側の観察は,経鼻内視鏡による観察が望ましい。
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