診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」は6月16日、DPC対象病院のうち、平均的な病院に比べて医療資源投入量が少ない、あるいは在院日数が短い施設などを対象にした特別調査の実施を了承した。調査結果を2022年度診療報酬改定に向けた、DPC制度の見直しに関する議論の基礎資料として活用する。書面調査だけでなく、DPC/PDPS等作業グループによる聞き取り調査も行う予定だ。
特別調査は、①医療資源投入量の少ない病院の調査、②在院日数の短い病院の調査、③コーディングに関する調査―で構成。①は特定の症例(急性心筋梗塞、脳梗塞など)のうち、「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」などに該当する症例が一定割合以上の施設を、②は自院の他病棟への転棟割合が高い施設を、調査対象に選定。書面による調査で、医療資源投入量や在院日数が平均以下である背景要因や、コーディングの理解度を探る。さらに、書面調査の結果を踏まえて選定した施設をDPC/PDPS等作業グループに招集し、ヒアリングも実施する。
③では全てのDPC対象病院に調査票を送り、コーディングテキストやコーディングの方法に関する疑問や不明点を尋ねる。
また、同日の分科会では、20年度改定時の分科会報告書に基づき、全てのDPC対象病院とDPC準備病院に対して、▶医療資源投入量、▶在院日数、▶転棟した症例の占める割合、▶「手術なし」かつ「手術・処置等1なし」の症例が占める割合―に関する情報を通知することが了承された。