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なつかしのメロディー[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(364)]

No.5075 (2021年07月31日発行) P.69

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2021-07-28

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講義のアンケートに、よく、先生はどんな音楽を聴かれますか、というのがある。映画や本の紹介はするけれど、歌についてはほとんど話をすることがない。というのは、学生とまったく意見が合わないからだ。

だいたい、最近の歌どころか、歌手すら知らない。若手の歌手で顔と名前が一致するのは、あいみょんと米津玄師くらいだろうか。意味のわからんローマ字の名前だったりすると、それだけで脳が拒絶してしまう。

なので、聞くのは古い曲ばかりだ。松任谷由実、中島みゆき、サザンオールスターズ、太田裕美、中森明菜、井上陽水、洋楽なら、ビートルズ、クイーン、シカゴとか、完全に「なつかしのメロディー」状態である。

頻繁ではないけれど、ライブに赴くこともある。昔の曲を聴いていると、その頃のことを思い出したりしてやたらと懐かしい。つい先日、ビルボード大阪へ太田裕美を聴きに行った。ご存じかと思うが、飲食しながら音楽を楽しむライブレストランである。

関西屈指の老舗ビッグバンド、アロージャズオーケストラとの共演だった。なんでも、このバンドは、元々、大阪のキタにあったナイトクラブ「アロー」の専属バンドとして1958年に発足したらしい。いやぁ、そんなゴージャスな時代があったんですなぁ。

ジャズにアレンジした「岬めぐり」と「心の旅」の演奏があってノスタルジーがかきたてられたところへ、「九月の雨」の前奏にのって太田裕美さん登場。いやぁ、かわいらしいのにビックリしてしまいましたわ。

ずっとウルウルしながら聴いてたのだけれど、やはり最高だったのは「木綿のハンカチーフ」である。大学に入学した年、75年に発売された曲で、懐かしすぎる。阪大では学生運動のストライキがあって、退屈しのぎに通っていたパチンコ屋でよくかかっていた。そんななので、この曲を聴くたびに、その頃つきあっていたガールフレンドの想い出と、もっと勉強しておけばよかったという後悔の念が入り交じるという、なんともいえない青春の一曲なのである。

客席は当然、中高年がメインで、おっさんが一人のお客さんも多かった。みんなそれぞれに想い出があるんでしょうなぁ。アンコール曲は「Over the Rainbow」で、ちょっとミスされて、最後、爽やかに「間違えたっ!」と叫びながら退場していかれました。いやぁ、ええもん見せてもらいましたわ。

なかののつぶやき
「ビルボード大阪は会員になってて、年に数回は行きます。6~7年前にはフレンチポップス『伝説の歌姫』シルヴィ・バルタンを聴きに行きました。いやぁ、あんなに華麗だったフレンチギャルがなぁ、と、いたく感銘を受けました。決して悪い意味ではありません、念のため。今年はあと、岩崎宏美と矢野顕子のライブが予約済みで、どちらも楽しみであります」

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