国立社会保障・人口問題研究所が8月31日に公表した、2019年度の「社会保障費用統計」によると、19年度の社会保障給付費の総額は過去最高の123兆9241億円となったことが明らかになった。
同統計は、年金や医療保険、介護保険、生活保護などの社会保障制度に関する1年間の支出を、「経済協力開発機構(OECD)」の基準による「社会支出」と、「国際労働機関(ILO)」の基準による「社会保障給付費」の2通りで集計するもの。「社会支出」は、施設整備費などの個人に帰着しない支出が含まれるため、「社会保障給付費」よりも集計範囲が広くなっている。
結果をみると、19年度の社会保障給付費の総額は123兆9241億円で、前年度に比べて2兆5254億円(2.1%)増加した。部門別では、「医療」が40兆7226億円(構成比32.9%)、「年金」が55兆4520億円(44.7%)、「福祉その他」が27兆7494億円(22.4%)、「介護対策(福祉その他の内数)」が10兆7361億円(8.7%)だった。部門別給付費の対前年度伸び率は、「医療」2.5%、「年金」0.4%、「福祉その他」5.1%、「介護対策」3.3%。1人当たりの社会保障給付費は、98万2200円だった。
一方、19年度の社会支出は総額127兆8996億円となり、前年度比で2兆3982億円(1.9%)伸びた。政策分野別で最も多かったのは「保健」の53兆527億円、次いで「高齢」の48兆4114億円で、この2分野が全体の約8割(79.4%)を占める。1人当たりの社会支出は101万3700円だった。