株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 22年度改定に向けた議論の概要を報告―中医協総会で厚労省

No.5084 (2021年10月02日発行) P.70

登録日: 2021-09-17

最終更新日: 2021-09-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

厚生労働省は2022年度診療報酬改定に関する議論が一巡したことを受け、これまで出た主な意見などを整理した「令和4年度(2022年度)診療報酬改定に向けた議論(次期改定の論点等)の概要」をまとめ、915日の中央社会保険医療協議会総会に報告した。総会は次回から個別課題を掘り下げる、二巡目の議論に入る。

議論の概要から、これまでの審議を振り返ると、新型コロナウイルスや感染症の対応では、コロナ特例の基本診療料への加算(初・再診料への5点上乗せなど)について、診療側は基本診療料への包括も視野に、継続することを強く要望。支払側は、診療報酬で医療機関の減収を補う評価を行うべきではないとし、診療報酬との役割分担を明確化することを求めている。

■外来では初診からのオンライン診療恒久化が焦点の1

外来では、やはりコロナ特例で容認されている、初診からのオンライン診療の恒久化が、重要論点の1つ。現在、オンライン診療に関する指針見直しの議論が医政局の検討会で進行中であることから、その動向を見据えつつ、安全性や信頼性の担保と、患者の利便性向上を両立できる要件設定などを検討する方向で、各側の意見が概ね一致している。

入院医療について過去の改定では、「急性期一般入院基本料」の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の引き上げなどにより、急性期病床から回復期病床などへの転換を促すなど、地域医療構想の実現を経済誘導する施策が展開されてきた。支払側は、次回改定についても、「引き続き、地域医療構想に沿って後押しするような対応をとることが重要」と主張。診療側は、全国一律の診療報酬では地域特性を考慮したきめ細かな対応は困難と異議を唱えている。

■「地域医療体制確保加算」の要件緩和を求める声も

医師の働き方改革の関係では、20年度改定時に救急病院勤務医の処遇改善目的で導入された「地域医療体制確保加算」について、診療側は、より多くの病院が算定できるよう、要件のあり方の検討を要請。支払側は、加算の導入によって医師の平均労働時間がどのように変化したのかをまず検証すべきだと、慎重姿勢を示している。

医薬品の適正使用推進では、フォーミュラリの評価で意見が割れている。推進すること自体に反対はないものの、診療側は環境整備が不十分で診療報酬で評価するのは時期尚早との認識を表明。これに対して支払側は、院内・地域フォーミュラリとも普及しつつあるとし、さらなる推進のためにも、診療報酬上の対応が必要だと主張している。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top