株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

歩行時のふらつきで来院した23歳女性[鑑別診断塾入門(13)]

No.5085 (2021年10月09日発行) P.9

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2021-10-08

最終更新日: 2021-10-07

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【現病歴】X-5日,朝起きたら物が見えづらく,運転中センターラインが二重に見えた。両下肢のびりびり感にも気づいた。近医で頭部CT異常なしと言われた。X-4日,左口角から水分が漏れてしゃべりにくくなり,再度,近医受診し心療内科受診を指示された。X-2日,両上肢にもびりびり感が出現した。歩行もふらつきを自覚。X-0日,当院受診。

<追加の情報>
日内変動・易疲労性なし。羞明感あり。視力低下・眼痛なし。四肢で左右差はないが風呂の温度がわかりにくい。酔ったようなふらつきがある。

【既往歴】X-11日,上気道症状でかかりつけ医からアジスロマイシン,デキストロメトルファン,L-カルボシステインの処方。
【生活歴】接待を伴う飲食店勤務。飲酒:1年前からハイボール30杯/日,焼酎ボトル1本/日。喫煙:40本/日を7年間。偏食(つまみのみ)。
【バイタルサイン】意識清明。BT 36.8℃,BP 121/56mmHg,PR 87/min,RR 18/min,SpO2 97%(RA)
【身体所見】瞳孔5.5mm/5.5mm,対光反射は遅鈍。両側外転障害が目立つ,全方向の眼球運動制限あり。眼振なし。前頭筋を含む両側顔面筋力低下(R<L)。両上肢肘から遠位,両下肢膝から遠位での温痛覚・触覚低下。tandem gaitは困難。深部腱反射正常。足底反射は底屈。

 キーワード 
・先行感染  ・複視  ・散瞳
・全方向性眼筋麻痺(外転優位)
・末梢性顔面神経障害
・失調歩行
・四肢感覚低下

考えられる診断は?

A . Tolosa-Hunt症候群
B . 重症筋無力症
C . Fisher症候群
D . Wernicke脳症
E . 多発性硬化症

プレミアム会員向けコンテンツです(最新の記事のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連物件情報

page top