編著: | 徳田安春(群星沖縄臨床研修センター長) |
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判型: | B5判 |
頁数: | 192頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2023年06月25日 |
ISBN: | 978-4-7849-6686-8 |
付録: | 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
◆医療事故、医療過誤、そして医療訴訟はいつ起きるかわかりません。外来で診る疾患を見逃した場合、訴訟になりやすい高リスク疾患について、注意すべきポイントをまとめました。
◆まず実際の医療訴訟判例を挙げ、その経過を時系列のフローチャートで示し、紛争になりやすい点を医学的見地からわかりやすく提示。行うべき処置方法やそのタイミングをクイズ方式で確認できるように構成しました。また、疾患を疑って見逃さないポイント(red flag signの所見、検査など)、紛らわしいカメレオン疾患やミミック疾患を、コラムや豊富な図表とともに見やすくわかりやすく解説しています。
◆さらに、徳田安春先生のオリジナルシナリオによるストーリー漫画「シリアス劇画物語」3本を収載!
◆外来診療に携わるすべての臨床医にお勧めの1冊です!
本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます
巻頭言
本書は、外来診療における訴訟リスクの高いケースから学ぶためのものである。外来で実際に遭遇した隠れた重要疾患のリアルストーリーを擬似体験し、設問も解きながら、診断エラーの生じるメカニズムとこれらのケースから学ぶべき教訓が得られるようにした。20の高リスク疾患に対しての紛らわしいミミック疾患と、高リスク疾患が他のカメレオン診断に化けるときの疾患リストもまとめたので鑑別に役立つ。
診断訴訟は患者安全の重要な問題である。しかし、外来診療での診断エラーの頻度は多い。診断訴訟は患者にとって致死的または有害だった実例であり、再発を防ぐ努力をするための教科書として学ぶ点は多い。リアルケースをもとに安全策を学習していくシステムは、航空業界や原子力発電業界では当然のように組み込まれている。
本書は、医師や看護師などの医療従事者や医療安全管理者だけでなく、医療機関管理者や医療政策立案者も対象とした。本書の各章を執筆してくれたメンバーと日本医事新報社編集局へ心より御礼を申し上げる。
執筆者メンバーには共通の思いがある。それは、本書によって、外来での診断訴訟が起こる高リスク疾患に対する認識が高まり、その診断過程でのピットフォールの理解が進み、診断ミスの発生が減ることである。本書を読み、外来の現場でいつでも参照できるようにすることで、現場の医療安全が改善することを祈る。
2023年4月5日 浦添市の群星沖縄事務所にて
群星沖縄臨床研修センター長
徳田安春
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
・ 68ページ
8. 絞扼性腸閉塞,急性腸間膜虚血 絞扼性腸閉塞や腸間膜虚血を疑ったらためらわず速やかに造影CTを撮像せよ!
④疑ったら速やかに造影のDynamic CTを 17行目
<誤>「さらに近年では,「造影剤の投与と慢性腎障害(AKI)の発症に関連はなく,患者や疾患の要因が寄与しているのでは?」とも言われ」
<正>「さらに近年では,「造影剤の投与と急性腎障害(AKI)の発症に関連はなく,患者や疾患の要因が寄与しているのでは?」とも言われ」