編集: | 山田博胤(徳島大学大学院医歯薬学研究部地域循環器内科学特任教授) |
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編集: | 瀬良 誠(福井県立病院救命救急センター医長) |
編集: | 多田明良(紀美野町立国民健康保険国吉・長谷毛原診療所所長) |
編集: | 豊田英樹(ハッピー胃腸クリニック院長/三重大学医学部臨床教授) |
判型: | B5変型判 |
頁数: | 282頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2022年11月15日 |
ISBN: | 978-4-7849-6392-8 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
腹部
CASE 1 肝膿瘍
CASE 2 肝硬変
CASE 3 肝細胞癌
CASE 4 転移性肝癌
CASE 5 肝血管腫
CASE 6 急性胆囊炎
CASE 7 胆囊癌
CASE 8 急性胆管炎
CASE 9 胆囊結石
CASE 10 膵癌
CASE 11 急性膵炎
CASE 12 アニサキス症
CASE 13 鼠径部ヘルニア
CASE 14 閉鎖孔ヘルニア
CASE 15 胃癌
CASE 16 胃潰瘍
CASE 17 大腸癌
CASE 18 単純性腸閉塞
CASE 19 絞扼性腸閉塞
CASE 20 腸軸捻転
CASE 21 腸重積(大人)
CASE 22 感染性腸炎
CASE 23 虚血性腸炎
CASE 24 十二指腸潰瘍
CASE 25 便秘症
CASE 26 憩室炎
CASE 27 癌性腹膜炎による腹水
CASE 28 腹腔内出血
CASE 29 腹部大動脈瘤
CASE 30 下大静脈腫瘍塞栓を伴う肝・腎腫瘍
CASE 31 閉塞性黄疸(肝内胆管拡張・肝外胆管拡張)
泌尿器
CASE 32 腎細胞癌
CASE 33 前立腺腫大
CASE 34 尿管結石
CASE 35 尿失禁の鑑別,残尿計測(膀胱の計測法)
CASE 36 精巣捻転
CASE 37 精巣上体炎
CASE 38 膀胱癌
腹部(小児科)
CASE 39 急性虫垂炎
CASE 40 腸重積
産婦人科
CASE 41 子宮筋腫
CASE 42 卵巣腫瘍,茎捻転
CASE 43 正常妊娠
CASE 44 卵巣出血
肺・気道
CASE 45 気管挿管確認
CASE 46 肺炎
CASE 47 COVID-19肺炎
CASE 48 ARDS(非心原性肺水腫)
CASE 49 気胸
CASE 50 胸水貯留(少量)
CASE 51 (大量)胸水(血胸)貯留
CASE 52 心不全(HFrEF)
心臓
CASE 53 心膜液貯留・心タンポナーデ
CASE 54 拡張型心筋症による
CASE 55 急性冠症候群
CASE 56 陳旧性心筋梗塞
CASE 57 大動脈解離(上行大動脈)
CASE 58 心筋炎
CASE 59 仮性心室瘤
CASE 60 急性心筋梗塞に伴う心室中隔穿孔
CASE 61 乳頭筋断裂による急性僧帽弁逆流
CASE 62 心尖部瘤,壁在血栓
CASE 63 左房粘液腫
CASE 64 感染性心内膜炎
CASE 65 閉塞性肥大型心筋症
CASE 66 高血圧性心疾患
CASE 67 心アミロイドーシス
CASE 68 重度大動脈弁狭窄症
CASE 69 肺高血圧(肺血栓塞栓症),右室拡大例
CASE 70 ⼈⼯弁機能不全
CASE 71 中心静脈カテーテル(CVC)の入れすぎ
血管
CASE 72 循環血液量減少
CASE 73 炎症性腹部大動脈瘤(マントルサイン)
CASE 74 高安動脈炎
CASE 75 大動脈解離(腹部大動脈)
CASE 76 急性中大脳動脈閉塞
CASE 77 急性頸動脈閉塞(脳梗塞急性期・神経症状出現時)
CASE 78 上行大動脈解離から波及した頸動脈解離
CASE 79 胸部大動脈瘤
CASE 80 上腸間膜動脈閉塞
CASE 81 急性動脈閉塞
CASE 82 急性期深部静脈血栓症
運動器
CASE 83 関節リウマチ
CASE 84 肋骨骨折
CASE 85 橈骨遠位端骨折
CASE 86 大腿骨頸部骨折
CASE 87 上腕骨近位部骨折
CASE 88 上腕骨顆上骨折
CASE 89 小児肘内障
CASE 90 腓腹筋損傷
CASE 91 前距腓靱帯損傷
CASE 92 アキレス腱断裂
CASE 93 腱板損傷
CASE 94 痛風
CASE 95 偽痛風
CASE 96 ドケルバン病
CASE 97 上腕二頭筋長頭腱炎
CASE 98 石灰沈着性腱板炎
CASE 99 肩峰下滑液包炎
表在臓器
CASE 100 甲状腺機能亢進症
CASE 101 腺腫様甲状腺腫・腺腫様結節
CASE 102 甲状腺乳頭癌
CASE 103 悪性リンパ腫
CASE 104 川崎病
CASE 105 蜂窩織炎
CASE 106 炎症性粉瘤
CASE 107 皮下異物
CASE 108 皮下膿瘍
CASE 109 網膜剝離
“Point-of-Care超音波(POCUS)”という言葉,数年前は「何それ?」という方が多かったと思います。今でも医学部生に聞くと,知らないという学生がほとんどです。しかしここ数年で,現場の医療者の間では,少しずつ認知されるようになってきました。記憶をたどれば,2016年に京都で開催された第89回日本超音波医学会学術集会のパネルディスカッションで,谷口信行先生,安田秀光先生が座長をされ,小縣正明先生,畠二郎先生,亀田徹先生,Young-Rock Ha先生とともに講演の機会を頂いたのが,私が“Point-of-Care超音波”という言葉に触れた最初でした。そして,同年にPoint-of-Care超音波研究会が発足,同研究会は2022年に日本ポイントオブケア超音波学会となり,わが国におけるPOCUSの普及に貢献しています。
私たちはPOCUSを広く普及するため,研究会・学術集会では講義やハンズオンセミナーを開催してきました。今回,そういった教育活動で知り合った瀬良誠先生,多田明良先生,豊田英樹先生と一緒に,本書を企画,編集,執筆しました。また,いくつかの疾患や病態は,その領域の専門の先生方に執筆をお願いしました。POCUSは日常診療において症例を経験しながら修得していく技術です。エコーを当ててみて,あれ?と思ったときにさっと取り出して,典型的な超音波画像と比較ができ,追加するスキャン,画像の読影法,そして,そこから得た情報をどう臨床に活かせばよいか,そういったことがすぐに判る書籍をめざしました。
POCUSは様々な領域に及ぶため,各々が得意な領域,やったことのない領域があるはずです。本書をパラパラめくって頂くと,初めて目にする超音波画像も多いでしょう。こんなことがわかるのか!と心に焼き付けておけば,そういった症例に遭遇したとき,それが不得意な領域や,やったことのない領域であってもそのエコーにチャレンジすることができると思います。
また,指導的立場の先生は,本書を教育にも用いて頂きたいです。ハンズオンセミナーでは健常被検者でトレーニングをします。正常のエコー像を描出させておいて,その画像が疾患や病態ではどうなるのか,本書を開いて教えてあげて下さい。
本書を活用することで,1人でも多くの患者さんがPOCUSの恩恵を享受できることが,編者・執筆者の大きな喜びとなります。本書が,POCUSを広く,正しく活用するための書として,皆様方の座右の書になることを切に願っています。
2022年10月
徳島大学大学院医歯薬学研究部 地域循環器内科学 山田博胤
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。