株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

プライマリ・ケアでみる更年期障害[〈from総合医育成プログラム〉プライマリ・ケアで役立つクリニカルパール(14)]

No.5274 (2025年05月24日発行) P.6

柴田綾子 (淀川キリスト教病院産婦人科医長)

登録日: 2025-05-24

最終更新日: 2025-05-21

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

執筆:柴田綾子(淀川キリスト教病院産婦人科医長)

産婦人科編 日本プライマリ・ケア連合学会監修

本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。

今回のクリニカルパール40歳代後半~50歳代前半の女性は,更年期障害を鑑別疾患に挙げる。
軽症では,イソフラボンサプリメントや漢方を提案する。
強いホットフラッシュには,ホルモン補充療法を推奨する。

1 更年期障害の社会的インパクト

厚生労働省の調査では,40歳代女性の31.5%,50歳代女性の47.2%に更年期症状があるにもかかわらず,実際に診断を受けているのは40歳代で3.6%,50歳代で9.1%しかいません1)。働く女性4300人を対象にした調査によると,更年期症状が原因での離職や降格は約15%(約33万人)に起こっており,日本全体の経済損失は,1800億円以上と推定されています2)

2 更年期障害の定義と症状

更年期とは,閉経の前後5年間(合計10年間)を指し,閉経とは,月経が止まり12カ月経過したときに診断します。

プライマリ・ケア現場では,40歳代後半~50歳代前半の女性には,更年期障害を常に鑑別疾患に挙げて診療を行う必要があります。更年期に起こる症状で,器質的な原因がなく,日常生活に支障をきたしている状態を更年期障害と言い,表1のような症状があります。

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top