中央社会保険医療協議会総会は11月5日、精神医療と療養・就労両立支援について議論した。精神医療では、認知症医療の中核を担う「認知症疾患医療センター」について、診療所や一般病院が指定対象の「連携型」においても、「認知症専門診断管理料2」の算定を可能にすることなどが、論点として提示された。
認知症の詳細な診断や専門医療相談などを行う医療機関として都道府県が指定する「認知症疾患医療センター」には、▶基幹型(総合病院、大学病院など)、▶地域型(精神科病院、一般病院)、▶連携型(診療所、一般病院)―の3つの類型がある。外来診療は「認知症専門診断管理料」で評価されているが、急性増悪した紹介患者の診療が対象の「管理料2」は、現在、基幹型と地域型でしか算定できない。だが、近年は連携型でも身体合併症やBPSD(行動・心理症状)の診療が行われるようになっていることから、厚生労働省は連携型での算定も可能にする方向での検討を求めた。
精神医療ではこのほか、▶外来に配置された精神保健福祉士(PSW)等による包括的支援マネジメントを推進する観点から「療養生活環境整備指導加算」の算定範囲を見直す(現在は「精神科退院時共同指導料1」の算定対象患者に限定)、▶「精神科在宅患者支援管理料」の対象をひきこもり状態等の患者などにも拡大、▶「通院精神療法」、「在宅精神療法」に精神保健指定医を対象にした評価区分を新設―などの検討を論点に挙げた。
療養・就労両立支援では、患者への療養上の指導の実施や、企業への診療情報の提供を評価する「療養・就労両立支援指導料」について、企業側の連携先となる職種に新たに「衛生推進者」(労働者50人未満の事業場で選任)を加え、中小企業における両立支援の普及を後押しすることを提案。「療養・就労両立支援指導料」の関係では、▶対象疾患への心疾患、糖尿病、若年性認知症の追加、▶「相談支援加算」の対象職種に、両立支援コーディネーター基礎研修を修了した公認心理師やPSWを追加―も検討課題となっている。