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■NEWS 看護必要度の評価項目や該当患者割合の見直しを巡り、意見が対立―中医協総会

No.5091 (2021年11月20日発行) P.69

登録日: 2021-11-12

最終更新日: 2021-11-12

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中央社会保険医療協議会総会は1110日、2022年度診療報酬改定に向け、急性期入院医療などについて議論した。一般病棟における「重症度、医療・看護必要度(看護必要度)」の評価項目や該当患者割合の基準値の見直し、「急性期一般入院料1」の治療室や「総合入院体制加算」の届出に着目した評価などが検討課題となっているが、多くの点で各側の意見が対立している。

「急性期一般入院基本料」などの一般病棟の看護必要度では、①「看護必要度Ⅱ」(DPCデータによる評価)の届出の推進、②A項目の「心電図モニターの管理」、「点滴ライン同時3本以上の管理」の評価項目としての妥当性の検討、③該当患者割合の基準値の見直し―などが論点となっている。

①では、2020年度改定時に許可病床400床以上の病院で「看護必要度Ⅱ」の届出が義務化されて以降、病床規模の大きい病院や公立病院を中心に届出が進み、「急性期一般入院料1」の算定施設の届出割合は7割程度にまで伸びている。支払側は将来的に全病院に「看護必要度Ⅱ」の届出を義務化することを視野に、次期改定での義務化対象拡大を要望。診療側は届出の推進自体に反対はしていないものの、導入体制が整っていない中小病院への配慮が必要との認識を示している。

A項目の心電図モニターと点滴ライン同時3本以上の管理の扱いが課題

②では、A項目のうち、「心電図モニターの管理」には患者の状態が必ずしも反映されていない可能性がある、「点滴ライン同時3本以上の管理」は使用薬剤が2種類以下の事例がある―などの問題が指摘されている。支払側はこれら項目の削除を求めているが、診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「改定のたびに評価項目を変更することは医療機関の負担になる」とし、次期改定での評価項目見直しに異議を唱えた。

城守委員は、③の該当患者割合の扱いに関しても、基準値の引き上げという、実質的な評価の引き下げが累次の改定で繰り返されてきたことにより、中小病院の救急対応能力は低下していると強い危機感を表明。「急性期の入院料をさらに削減する方向を打ち出すことは到底考えられない」と基準値引き上げを牽制した。一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「急性期一般入院料1の基準値を引き上げ、区分ごとの基準値に一定の差を設けることで、急性期医療の必要性を適正に反映できるようになる」と、基準値の引き上げを求めた。

■治療室の有無による評価、中小病院の評価引き下げるなら反対―城守委員

急性期入院医療では、「急性期一般入院料1」の算定施設で特定集中治療室(ICU)などの治療室や「総合入院体制加算1」の届出がある施設について、充実した急性期医療を担う医療機関として評価を厚くすることが論点に挙がっている。これら施設は、治療室などを持たない施設に比べて、手術件数や救急搬送受入件数が多いことがデータ分析の結果などから明らかになったためだ。支払側は「急性期の入院医療の評価にメリハリをつける新たな切り口になる」(松本委員)などと導入に前向きだが、診療側は、建物の構造上、治療室を設置できない中小病院の中にも工夫をして重症患者を受入れている施設があると指摘。城守委員は、こうした施設の評価引き下げにつながるのであれば、「明確に反対したい」と述べた。

ICUの看護必要度はB項目の存続巡り、議論が紛糾

高度急性期入院医療の看護必要度でも、ICUにおけるB項目の測定を評価指標から外すかどうかを巡り、除外を主張する支払側とそれに反対する診療側の意見が対立している。ICUの該当患者の基準は、「A項目4点以上かつB項目3点以上」だが、A項目の基準を満たした患者で、B項目の基準を満たせない患者はわずか1.7%にとどまる。また、ICUにおける早期からのリハビリテーションの介入が患者の状態改善に有用であるとのエビデンスがあり、自立の状況や介助の有無などを評価するB項目が、こうした取組みに対して負のインセンティブになるとの指摘が出ていた。

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