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「自分は正常ではない」ということを主訴に受診した78歳男性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(258)]

No.5095 (2021年12月18日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

田村弘樹 (東千葉メディカルセンター総合診療科/千葉大学医学部附属病院総合診療科)

石塚晃介 (東千葉メディカルセンター総合診療科/千葉大学医学部附属病院総合診療科)

森 隆浩 (東千葉メディカルセンター総合診療科)

加藤智規 (東千葉メディカルセンター総合診療科)

登録日: 2021-12-16

最終更新日: 2021-12-14

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前日に気分不快とともに「自分は正常ではない」と自覚し,自身で車を運転して当科を受診した。妻からの病歴では,1カ月前頃から夫の発言の辻褄が合わず,頭痛を訴えていたという。日常生活への支障はない。

3週前に近医で高血圧を指摘され,ニフェジピン20mg/日が開始となっている。飲酒歴はビール500mL/日,喫煙歴はない。設計事務所に勤務し,アパート経営者。

体温36.2℃,脈拍69回/分,血圧160/99 mmHg,呼吸数12回/分。意識清明。「自分は正常ではない」と感じる点についてひたすら話し続けるが,辻褄が合っていない。幻視,幻聴はない。改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は12/30点であるが,復唱は可能。その他の異常はない。

一般血液・生化学検査はいずれも正常範囲。

初診時の問診票を示す(図1)。

研修医の診断:遅発性統合失調症

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