株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 改定率設定は中医協審議を踏まえ適切な対応を―次期改定で中医協が意見書

登録日: 2021-12-15

最終更新日: 2021-12-15

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中央社会保険医療協議会は1210日、2022年度診療報酬改定に関する意見書をまとめ、後藤茂之厚生労働大臣に提出した。その中で、来年度予算の編成過程における診療報酬改定率の設定については、中医協での審議を踏まえ、適切に対応するよう求めた。

意見書は、これまでの審議を通じて各側の意見が一致した事項、現時点では分かれている事項を整理して記載した。まず、「新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築」と、「安心・安全で質の高い医療の実現のための医師の働き方改革等の推進」を重点課題に掲げた、次期診療報酬改定の基本方針への対応に言及。各側委員が、基本方針の内容に基づき、すべての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取組についての協議を真摯に進めていくとの認識で一致したことを報告した。

■診療報酬本体や薬価等の引き下げ財源の扱いでは各側意見に開き

これに対して、診療報酬本体や薬価の改定財源の扱いでは、両者の意見に相違があることを示した。具体的には、支払側は、▶診療報酬を引き上げる環境にはなく、配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定を行う、▶薬価等の改定による公定価格の引き下げ分を国民の負担抑制のために還元する―ことなどを要請。一方の診療側は、▶地域の医療と医療従事者を支えるには適切な財源が必要であり、次期改定はプラス改定しかあり得ない、▶薬価の改定財源は診療報酬本体の引き上げに充当するべき―などと主張していることを記載した。

その上で、22年度の予算編成過程で決定される診療報酬改定率については、こうした中医協での審議内容を踏まえ、適切な設定にすることを厚労相に求めた。

このほか、▶新型コロナ対応、医療機能の分化・強化、連携、医療従事者の働き方改革、新しい医療技術への対応など、医療に関する様々な課題の解決のため、診療報酬だけでなく、補助金、税制、制度改革などを含む幅広い施策の組み合わせでの対応を検討、▶医療を受ける患者の主体的な選択が可能となるよう、情報提供やできるだけ分かりやすい仕組みづくりなど、国民の理解をいっそう深めるための工夫―などの実現も併せて要望した。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top