中央社会保険医療協議会の各側委員は、2022年度診療報酬改定の改定率が決まったことを受け、12月24日の総会に意見書を提出した。総会はこれらの意見を踏まえ、年明けから個別改定項目に関する議論を本格化させる。
意見書で支払側は、次期改定について、「これまで以上にメリハリの利いた配分の見直しを行うべきだ」との基本認識を表明。急性期入院医療では、「重症度、医療・看護必要度」の評価項目について、A項目の「心電図モニターの管理/装着」の廃止などを要望。「急性期一般入院基本料」は、「入院料1」における看護必要度の該当患者割合の基準値引き上げや、7区分ある入院料の簡素化を提案した。
入院医療ではこのほか、▶ポストアキュート機能しか担えていない地域包括ケア病棟の評価適正化、▶看護配置25対1の「療養病棟入院基本料」の経過措置の廃止―なども求めた。
外来医療では、かかりつけ医関連の診療報酬体系の再構築を提言。初診料の「機能強化加算」については、▶算定対象を慢性疾患等のかかりつけ患者に限定、▶自院の機能に関する患者への情報提供を徹底、▶一定期間内に「地域包括診療料」等の算定実績があること等を要件化―などの見直しを要望した。
一方、診療側は、国民皆保険制度の堅持と、コロナ禍の厳しい状況にあっても献身的な働きを続ける医療従事者を支え、守ることを重要課題に位置づけた。個別課題では、一般病棟等の看護必要度について、「改定の度に評価項目を変更すること自体、医療現場にとって負担となっている」と指摘。新型コロナの医療機関への影響も考慮し、次期改定での見直しは避けるべきだと訴えた。「地域医療体制確保加算」の救急搬送件数(年2000件以上)等に関する要件の緩和と評価引き上げ、25対1「療養病棟入院基本料」の経過措置延長―なども求めた。
外来医療では、コロナ禍での受診控えや、感染症対策のための費用負担の増加を踏まえ、医師技術料の最も基本的な部分である「初・再診料」の引き上げを要望。超高齢化社会や新興感染症への対応力を高める観点から、かかりつけ医機能を手厚く評価する必要性を強調し、「地域包括診療加算・地域包括診療料」や「小児かかりつけ診療料」の要件見直しと、点数の引き上げを求めた。