中央社会保険医療協議会総会は1月19日、2022年度診療報酬改定に合わせて、新規に保険導入する医療技術175件を了承した。
学会等から提案があった技術で、医療技術評価分科会の評価対象となった技術は733件。そのうち175件(新規技術77件、既存技術98件)が「診療報酬改定において対応する優先度が高い技術」と評価され、次期改定時に保険適用されることになった。その内訳は、学会等から提案のあった技術が170件、先進医療として実施されている技術が5件だった。
なお、今回、学会等からの提案募集に際しては、提案書の様式を一部見直し、ガイドライン(G L)等での位置付けを記載する欄を新設した。学会等からの提案で保険適用が決まった医療技術170件のうち、113件で「GL等で記載あり」の記入があり、分科会はこの取組みによって、今後は各技術のGL上の評価の変化等への速やかな把握が可能になると期待を寄せている。
一方、直腸がん、胃がん、食道がんのロボット支援下内視鏡手術は、術者の経験症例数を要件とする施設基準の見直しが行われることになりそうだ。これら手術に関しては現在、がん種ごとに術者の経験症例数に基づく要件が定められ、▶直腸がん、胃がん:10例以上、▶食道がん:5例以上―となっている。
だが、厚生労働省の研究班が手術成績と術者の経験症例数との関連性を、National Clinical Database(NCD)を用いて検証したところ、外科的治療などを必要とする術後合併症の発生に、術者の症例経験数による有意差はないことが明らかになったという。このため分科会は、「当該結果を、既に(保険)収載されている直腸がん、胃がん、および食道がんに係るロボット支援下内視鏡手術の施設基準見直しに活用することが考えられる」と施設基準の見直しを提言した。