中央社会保険医療協議会総会は1月28日、前回に引き続き、個別改定項目案について議論した。このうち、「救急医療管理加算」は、対象になる患者の状態や診療報酬明細書への記載事項を見直すことにより、患者の重症度に応じた適切な評価の実現を目指す。
二次救急医療機関の評価である「救急医療管理加算」は、算定対象患者の状態に、「消化器疾患で緊急処置を必要とする重篤な状態」と「蘇生術を必要とする重篤な状態」を新たに追加。熱傷は、患者の状態がより明確になるように、現在の「広範囲熱傷」を「広範囲熱傷、顔面熱傷又は気道熱傷」に改める。
さらに、「意識障害又は昏睡」、「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」、「広範囲熱傷、顔面熱傷又は気道熱傷」に該当する患者で、特定の状態にある場合〔意識障害に該当するにもかかわらず、JCS(Japan Coma Scale)スコアが0点(意識清明)の患者など〕については、緊急入院が必要と判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載することを算定要件として求める。
医師の働き方改革では、「地域医療体制確保加算」の算定対象施設を周産期医療や小児救急医療を担う医療機関にも拡大。2024年度からの医師の時間外労働の上限規制導入に向け、施設基準に「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」に沿った計画の作成を追加する見直しも行う。「医師事務作業補助体制加算1、2」は、医師事務作業補助者の経験年数に応じた報酬体系に再編する。
がん医療の充実・強化を図る観点から、がんを主病とする患者に対して、必要な診療体制を整備した上で外来化学療法を実施する場合の評価として、「外来腫瘍化学療法診療料」を新設。点数設定は、抗癌剤を投与した場合と、抗癌剤の投与に加えて必要な治療管理を行った場合の2区分とする。これを受けて、既存の「外来化学療法加算」のうち、抗癌剤を投与した場合の評価〔イおよびロの(1)〕は廃止する。
後発医薬品の使用をいっそう促進するため、「後発医薬品使用体制加算」と「外来後発医薬品使用体制加算」は、後発医薬品の使用数量割合の基準を引き上げる。バイオ後続品に関しては、外来化学療法を実施している患者に、バイオ後続品に関する情報を提供し、同意を取得してバイオ後続品を導入した場合の評価を新たに設ける。